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新劇の巨人~大惨事成長期~

作者: Q作くん
掲載日:2015/05/06

 高井は右手を伸ばしアラブ首長国連合を掴み取った。油田を抑えた高井の総資産額は軽く1兆円を超えた。ここに、16歳の若き資産家が生まれたのだ。

 篠田はアメリカ大陸を(また)いだ。無礼な行為にCIAは黙っていなかった。選りすぐりの諜報員たちを篠田抹殺計画に動員し、超大国アメリカを跨いだ無礼を死をもって償わせようと画策した。結果は失敗に終わった。アメリカ大陸を跨げるほどの大女とせいぜいが身長180cmの成人男性・女性では、初めから勝負にならなかったのである。

 木下は中国大陸でラジオ体操第一・第二を断行した。よせばいいのに。案の定木下は大量の黄砂・PM2.5を吸い込み呼吸器をやられ、万里の長城を枕に永眠についた。享年16歳だった。

 田所は極寒の地ロシアで寒中水泳を決行。これまで味わったことのない零下での平泳ぎは、田所をマゾヒストに変貌させた。現在(いま)では自ら進んで劣悪な環境に身を置き、肉体を酷使し続けている。木下の後を追う日もそう遠くないだろう。

 柳瀬は日本が威信をかけて(のぞ)んだ月面歩行プロジェクト『月詠』のロケットにしがみつき、月へと向かった。「どうしても日本人初の一歩を踏みたい」。柳瀬の我がままを阻止できる者などおらず、日本国民は冷めた目ではあったがその気持ちを受け入れ発射当日を見守った。結果はいうまでもなくロケットの大破及び柳瀬の海面落下という形となった。200億と5名の尊い命を忘れさせるには、あまりにも平凡な落ち方だったため、海面落下後海中から顔を出した柳瀬は申し訳なさそうに「もう一回」と舌をぺろりと出して懇願した。

 柳瀬はブチ切れた日本国民及び政府によって国外追放の刑に処された。その後柳瀬の姿を見た者はいない。

 3年A組の生徒巨大化現象は、このように全世界規模で迷惑をかけていた。よりにもよって巨大化したのが思春期まっただ中のティーンたちであったことが、世界を悩ませた。迷惑な存在ではあるが、未来ある若者には違いない。国際会議の決定は「彼彼女らの意思を尊重する」という名の放置であった。

 数百年後、彼彼女らが牙を剥くなんて当時の国際社会を想像もしなかったのだ。


―数百年後

エ〇ン「駆逐してやる! 一匹残らず、駆逐してやるんだ!」

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