Episode:03 アリさんとの出会い
3話目投稿ー。
やあ、おはよう。 良い朝だな! 昨日、眷属が増えたアバドーンだ!
今朝は早速【アンテナ】を持って設置場所に向かっているんだ。
眷属達に任せっぱなしでも良いんだろうけど、やっぱり【レギオンの王】としては、苦楽を共にしないと!
【アットホーム】がうちの種族の掟だからねw
…ところで、肝心の【アンテナ】の形なんだけどさ…。
1ダント程の大きさで、円錐形の本体にアンテナみたいな丸い顔、本体の真ん中に顔と左右に伸びる手みたいな突起って……。
どー見ても縮小版『太陽○塔』じゃね? 岡本太○さんに怒られるよ!?
……あ、いま神様から電波来た、『異世界だから大丈夫』だって? ホントかよ!?
まあいいや、これを神様から指定された位置に埋めとけば良いらしい。
わざわざ埋めるのは人間とか、その他の生物によって運ばれるのを防止する為なんだと。
そんな他愛も無いを事考えながら ←※注(【脳内会議】の効果でマイクロセカンドの領域での思考なので、これまでの考えは一瞬で終わっている)
【こっち見んな】を発動し、隠匿状態で飛んでいたら、予め指定場所の情報を送らせていた現地のスナサソリくんが、異変を知らせて来た。
ちなみに、このスナサソリくん 特別な個体でもなんでも無い。
単純に指定地域を頭に思い浮かべて、その周辺に生息していた”虫達”の中から適当に選んだだけの個体だ。
虫が居るだけで、思った所の情報がすぐ得られるんだから、この身体ってホント、チートだよね。 【ムシキング】マンセーw
彼からの情報を音声と視覚に置き換えて、【脳内会議】の分割高速思考で情報整理をした結果、どうやら、人型の生物が何人か魔獣に襲われているらしい。
人間では無さそうだし、急いで助けるとしようか! ←【くどい様だけど、この間マイクロセカンド秒】
ドォン!!!
一気に音速に突入した為に、空気の壁をぶち抜く音を轟かせ、俺はマッハ3の速度でそこに向かった。
…キィイイィィィィン!!!
大気を引き裂く音を響かせて、高速で飛来した俺の目に入ってきたのは、体長15ダント程の大きさの奇怪な生物と、ソイツに飲み込まれる寸前の、黒い小人の様な生き物の姿だった。
「エィオッシャラァァアアアアア!!」
アホな雄叫びを上げながら、飛んで来た勢いのままに、肘の甲殻から伸ばした”高周波爪刃”で、奇怪生物の首?を跳ね飛ばす。
ズザァァアアアアアァァァアアァ!!!
そのまま着地したが10ダント程足跡を引きずりながらようやく静止した。 足の裏から出せるブレーキ代わりの爪とかマジ便利w
「ふーっ、決まったぜ! 今の俺って”ヒーロー”そのものじゃね?」
「……………………って、無ーよw。
『エィオッシャラァァアアアアア!!』とか、言ってる時点でマジに無いわwww」
「…アリ!アリリ。」
「ん?」
俺が自分のアホさにセルフ突っ込みしてたら、黒い小人さんが話し掛けて来た。
改めて観察してみたら、黒い小人さんは、俺達レギオンと同じく”昆虫人”だった。
彼らは60ダル位の身長で、つぶらな目をした2頭身の子供が”蟻”のコスプレをしてるみたいな、可愛らしい姿の温厚な種族だったようだ。
蟻ン子ですね、俺を萌え殺す気ですか、漏マイラw (*´Д`)
「アリアリアリ!」
「ほうほう、奴に仲間が丸呑みにされたから助けてくれないか、とな?」
「アリ!」
「よし、まかせとけ!」 (*´Д`)ナンデモカナエタルガナ!
言葉自体は、さっぱり解からんが【ムシキング】の効果で、意思の疎通に問題は無い。
それぐらい、お安い御用だ。
俺は早速、【超感覚】と【虫の知らせ】を使い、アリさん達を傷つけ無い様に、”高周波爪刃”で奇怪生物を解体し、無事に全員助け出す事に成功した。
「アリ、アリアリ・アリガトネ!」
(*´Д`)カワイスギダロコノヤロー
あまりの可愛さに、”アリガトウ”と元の世界の言葉を使ってた事は、この際スルーしとくw
…それにしても、奇怪な生き物だな、コイツ。
俺はアリさん達を襲った奴に意識を向けて、改めてそう思った。
身体の外見と構造は、多分Tレックスに酷似している、それだけなら奇怪でもなんでも無いのだが、頭が、イソギンチャクに似ているのだ。
頭部分だけがイソギンチャクになっていて、口の周りの触手を伸ばして、獲物を丸呑みにするようだ。
俺が何故、こんなにもコイツを気にするかと言うと、神様に貰った知識の中にコイツの事が入ってないからだ。
そもそも、俺の一族がここまで強力な身体と能力を貰ったのは、人間を相手にする為じゃ無い。
神様にもその発生理由の解からない、この魔獣と呼ばれる存在に対処する為だ。
発生理由が不明故に、今後、より強力な個体が現れる可能性も予測されたからこそ、俺達はこれほどまでに強力な、身体と能力を与えられたのだ、人間だけを相手にするなら、ある程度の力は必要でも此処までの力は必要無かった。
…一応、魔獣の定義を説明するなら、”進化の過程で不自然な部位を持つ生き物”が、魔獣とその他の生き物を分ける基準になる。
このイソギンサウルス(仮称)は、明らかに”水棲生物”と”爬虫類”の部分に分けられるから、魔獣で間違いないだろ。
「…ア~リ、アリ・アリリー」
「ん? 解体したコイツの肉をクレないかって?」
「アリ!」
「あぁ、構わないよ! 全部持って行くといい。」
「アリ~♪」
うん、うん、可愛いのぅ。
…おお! そうだこの蟻ン子達に相談してみっか。
【…………蝗と蟻ン子相談中…………】
……よし! 相談の結果、アリさん家に居候させて貰える事に決定。
要は、俺達【用心棒】兼【食用肉の調達係】→アリさん達が【住居】と【心の癒し】を提供→【理想的な共生関係】
俺ってSUGEEEEEEE! 天才じゃね?
「アリアリ!」
どうやら巣に帰って、今の話を報告&餌を運ぶ為の応援を呼びに行くそうだ。
「うん、俺等は仕事があるから、それが終わったら合流するよ。 それじゃあ、又あとでなー。」
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ・アリデベルチ!」
ゴフッ! ←【吐血した】
…ナゼ最後のアリデベルチ!の時だけJOJO顔になる!!?
2頭身で、【顔】だけブチャラテ○とか、無いわ!!!
・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・
…気を取り直して、仕事すっか。
ここは岩場と砂漠が混ざったような場所で、俺が立ってる所は岩のような固い地面になってるようだ。
俺はその場に屈むと、無造作に地面に指を突き立てて土を掘り始める。
おそらくは、かなりの硬度を持つであろう地面を、柔らかい砂を掘るように何の抵抗も無しに掘り進む。
およそ2分後、直径1,5ダント深さ10ダントの穴の底に、例のアンテナを設置した後、一息で穴の外にジャンプして、埋め立てる。
なんか、穴を掘る時も何らかの”補正”が掛かってるっポイな、俺等って蝗や飛蝗じゃ無くて、オケラなんじゃねーの?
ピンピロリ~ン♪
『種族全員で、穴を掘るという行為をしたので、あなたの種族はスキル
【地中生活のススメ】を取得しました。』
うぉおい!!w
いいのか、それで!!!
…念の為、【知識神の贈り物】で調べてみるか…………。
あ、あった! コレに書いてある内容によると、今ので”種族的恩恵”に追加されているから、これから増える眷属も使えるのか。
んで、俺らの眷属そのものが容易く”種族的恩恵”や”称号”を獲得し安くなってるみたいだな。
チート種族乙w
(王様、王様。)
ん? 眷属からテレパスィーが来たぞ?
(なんで”スィー”って伸ばすのw)
(無駄に発音いいしw)
(発音いいのか?それw)
…食いつきイイな藻マエラw
(いや、さっき新しい”種族的恩恵”を獲得したみたいなんで)
(どんな、”種族的恩恵”か、王様に聴こうと思ってw)
おk、【なうろーでぃんぐ】で記憶を転送、アリさんの事も一緒に伝える。
(アリさん、カワユスw)
(蟻ン子 キタ━━━(゜∀゜)━━━ !!!!!)
(アリさん来た! これで勝つる!!)
(王様、グッジョブw)
(そこに痺れる!憧れるぅ!!!w)
はっはっはっ!この俺様を褒め称える事をゆるそう! もっと褒めれ! 藻マエ達。
(ヒューヒューw)
(この半熟○雄!w)
(いよ!異世界きってのお調子者!!ww)
(童貞乙w)
まてや!ゴルァ!! 他の奴なら兎も角、藻マエラだけには童貞呼ばわりサれたく無いンじゃい!!!
”種族的特長”で、藻マエラも童貞だろうが!!!!(泣)
(もー大人げ無いなー、4号も王様もーw)
(仲間内で起こす諍いはダメだよw)
(血を吐きながら続ける、悲しいマラソンのようなモノだよw)
(ウルト○セブンかw)
…スマン、つい事実を突付かれて逆上したわw
4号もスマンかったなw
(いいよーそんな事、僕の方こそゴメンねー王様。)
もう、過ぎた事はいいじゃないか!w …だって俺達
(((((( 仲間だもんげ!!! ))))))
( もう、許してやれよ…w )
…ホントのりイイな藻マエラw
………………………次回に続か無い!!
……いや、ホントはまだまだ続きますよw