表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Coat of Stigmachina  作者: 驚愕彩帽
第一章 聖紋機兵
1/10

プロローグ

色々な方からのご意見ご感想を頂きたく、この作品を投稿させて頂きました。

カメ更新ですが、なにとぞ宜しくお願いします。


 ◆◆◆


 初めまして。

 ――と、言った所で、果たしてこの言葉は君に届いているだろうか?


 残念な事に、今の私にはソレを確認する術がない。

 なんといっても、この様な事態は私にとって……いや、この世界にとって、初の試みなのだろうから。

 故に、この試みが有効なものであるのか、またそうでないのかの確認は、最終的な結果が出るまで、保留にせざる負えないのだ。

 そして残念なことに、その結果を確認することは、きっと私には不可能だろう。何故ならその結果が出る頃には、私がこの世界に存在している確率は、著しく低い物であるからだ。

 だからこそ、私は君に伝えておきたい。

 例えこの試みが失敗する可能性が高かろうとも、成功すると信じて、私は君に託したいのだ。

 私の、生きた証として。

 私と共に歩いてくれた、友人達との絆として。


 これから君に語るのは、私の過去であり業である。

 恐らく君は、今の段階ではその内容の一欠らすら、満足に理解することが出来ないだろう。

 だが、私の考えが正しければ、君はこれから私が語る内容を、委細漏らさず記録していく筈だ。

 ……我々は――そういう存在なのだから。

 そして近い将来、君は必ずこの内容を理解し、私が望む選択をしてくれると、そう信じている。

 だが、自らの過去を他の誰かに背負わせる事など、愚行以外の何者でもないだろう。だから私は、私がどの様な選択を君に期待しているのかを、伝える心算は毛頭ない。

 これはあくまで私の過去であって、君の未来ではないのだから。


 我ながら無責任なことだ。

 これから語る内容が、君の未来に全く影響を及ぼさないなど、どう考えても在り得ないというのに……。

 もしこれから先、私の伝えた話の内容によって、君の進む先に大きな困難が立ちはだかるというのならば、それは間違いなく私が原因だろう。

 そう考えると、私はこの世から消滅して尚、この世界に業を産み出してしまうことになる。


 ――成る程。


 どうやら、この試みが成功しようと失敗しようと、私は後悔することに成るらしい。

 幾ら現段階で君の意思を尊重出来ないとはいへ、この様な我侭を一方的に君に押し付ける私には、当然の報いで在るのかもしれない。

 いや……もしかすると、コレこそが“託す”という事なのだろう。

 死して尚、その存在を失って尚、その先の未来に影響を与え続ける。

 良しにせよ。

 悪しにせよ。

 ああ……そうか、この世界に生きる者達は、そうやって歴史を積み重ねてきたのだな。

 その様なことに、今更ながらに気が付くとは、全く持って度し難い。この私とて、託された者の――受け継いだ者の一人であるというのに。


 ……さぁでは、実のところ余り時間もない。そろそろ話を始めることとしよう。

 本来であれば、時系列に沿って語る方が解り易いのだろうが、私の場合は他の者達とは少々事情が異なっている。

 なので、語り出しは“最初”の私からでなく、“その次”の私から始めさせてもらう事にしよう。


 ――それは、ある晴れた日。

 大陸東部の国〈アーデラーズ〉。その西側の一角を流れる川沿いに、〈マハロ〉という一つの小さな村が在る。

 私はそこで、私にとって“三人目”にして“最後の主人”と成る――小さくとも逞しい、ある一人の少年と出会った。

プロローグってこんなんで良いんだろうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ