第四節 第七節:新たな仲間
書き方を変えてみました。
といっても一行開けていたのをなくした程度ですが。
読みにくい等ありましたらお申し付けください。いかんせん文章力が無いもので詰め詰めでいいのかどうか少し迷うのです;
「ゲホッゲホッ」
詩架が勢い良く咳き込むと、由佳が心配そうに詩架の顔を覗き込む。
「だいじょーぶだ。肉体的にはなんも攻撃受けてないから多分大丈夫。」
詩架はそう言って立ち上がると、ふと視界の隅に小さな塊があることに気付く。
「ん?」
疑問に思ってそこへ注目すると、そこには小さな小さな少女が一人。ぽつんと座っていた。
「何してんだ・・・?こんなところで。」
詩架が聞くと、少女は震える声で答えた。
「ちょっと貴方達に興味が出たの。」
それは泣いているとかそういうのではなく、声を出すのに慣れていないといった類の震えだった。
見ようによっては欲しいものをもらえないから愚図った女の子にも見えなくは無いが、今までここで死闘が繰り広げられていたことを考えればここに少女がいること自体おかしい。
もしいたとしても戦闘の匂いからは離れたくなるはずだ。
それは生命としての本能でもある。
ということは戦闘が終わってからここにきたと考えるべきなのかもしれないが、戦闘が終わってからまだ10分も経っていない。
「お前は・・・一体何者なんだ?」
詩架のその一瞬のよそうに少しばかり驚いたのか、年相応とは思えない驚きの表情をして少女は答えた。
「貴方達が言うところの、影よ。」
その言葉にもうなんでもアリじゃねーかと心底呆れる詩架だったが、その前にまず一番被害のあった由佳の表情をみるべきだと判断し視線を移す。
するとそこには恍惚の表情を浮かべる由佳の姿が。
(そういえばコイツ子供ダイスキだったなー・・・)
今の今まで影に憑かれてたのがうそのように晴れやかな笑みを浮かべる由佳はそのまま少女に向かって歩み寄って色々と質問攻めにした。
「どうしたの?お母さんは?お父さんは?どこに住んでるの?名前はなんていうの?年は?スリーサイズは?性別は?」
前半は親切心だったのだろうが後半は完全に下心というか欲望丸出しの質問はいっそ清々しい。
いや完全に犯罪なんだがなんだろうこの質問してるのが女というだけで少しばかりその犯罪臭が薄れるのは。
まぁ男の大人がこんな質問したら問答無用で逮捕だろうけれど。
そんなことを思っていると、ふと助けを求めるように少女の視線がこちらへ向いていることに気づく。
が、今の今まで軽く殺されかけてたんだ。由佳のように優しくしてやる道理もないだろう。
結局由佳の希望によって、連れて行くことにはなりそうなんだがなぁ。
****
「そういえばホレイムは何故急にここに来たんじゃ?」
そのハイナの問いに、ホレイムは一つ頷いて答えた。
「また新しく勇者が召還されたんだよ。それでそいつも異世界人だって言うから詩架達の知り合いじゃあねーかと思ったんだが居ないんじゃしょうがねーな。」
グシグシと頭をかいてホレイムは言う。
「また、って。勇者はそんなに簡単に召還できるものなのかえ?」
ハイナのその言葉に、ホレイムは答えた。
「さぁな。私も知りたいところだよ。まぁ聞いた所じゃあヘルゲートと同じようなモンらしいがなぁ。いまいち原理がわからねーな。」
「もともとお主は理詰めで考えるようなものじゃないしの。」
「うるせーなお前が理屈馬鹿だから私が違うように見えるだけじゃねーか。」
「理屈馬鹿とは何だこのもの覚えの悪い馬鹿者めが。大方お主も三年前のことを忘れているのだろう?」
ハイナのその言葉に一瞬ホレイムが息を詰まらせる。
その様子をハイナは横目で見て一言、ポツリといった。
「別にさびしいとかおもっとらんわ、お主は馬鹿だからな。」
本当に気にしてなさそうに言うその様子からは、忘れられたということに対する責を問うような口調は一切なかった。
「・・・・助かるよ。」
「何かいったか?」
「いんや、気のせいだ。ところでお前らはどこに行こうとしてたんだ?」
ホレイムがくるりと後ろをついてくるコトリ達へと振り向いて聞く。
「ああ、詩架さんの世界に影が行ってしまったのでそれを何とかしに、という話だったんですけど由佳さんのことがあって。」
段々としり込みして声が小さくなるコトリを少し可愛いなどと思いながらホレイムは言った。
「ほう、んじゃあとりあえず由佳を助けてからってはなしなの・・・・か・・・っとどうやら私たちは必要なかったようだぜ?」
ホレイムはそう言って、正面を顎で指した。
するとそこには、辟易した顔をした詩架と、ホクホク顔の由佳。
そしてその隣にこれまた辟易したように口を開けて半目で歩く少女がいた。
それをみて一向は同時に同じ疑問を口にした。
「「「「だれ?」」」」
****
「つまりその子は影が擬態したもの、と考えていいんかいの?」
用事があるといって手紙を置いて帰ったホレイムを見送り、ひとまず火の大陸に向かいながらハイナは手紙を読む詩架に聞いた。
恐らく本人と由佳に聞くのは得策ではないと考えてのことだろうが、それは奇しくも的を居ている。
文面では分からないと思うがその場に居ればすぐわかる程にそれは・・・ピンク色の雰囲気を発しているからだ。
「あー・・・多分そうなんじゃないか?」
手紙を読みながらのためか、生返事で返す詩架に軽く呆れながら思う。
(全く・・・こいつらの神経の妙な方向への成長はだれのせいじゃ・・・)
本当に誰のせいでしょうね。
そんな悪態をつきながら歩いていると、詩架が妙な声を上げた。
「どうしたんじゃ?」
ハイナが手紙を覗き込みながら聞くと、詩架は答えた。
「いんや、なんかこの世界に召還されたとかいう勇者、なんだけどよ。どーも知り合いっぽいんだ。」
その詩架の言葉に流石に無視は出来ない話題と考えた由佳は少女をいじくるのを止めて顔を上げて詩架に聞いた。
「誰?」
そう聞かれた詩架は右手でひらりと手紙を由佳に見せながら言った。
「琉雨だってよ。」
「えー?」
何で嫌そうな顔すんだよ、おい。
****
「消えた・・・?」
少女が銃を撃ったという事実よりも、まず琉雨が消えたという事実が礫を心底驚かせた。
が、再び引き金を引く音に否応無しに少女へと集中を向けることとなる。
「おい琉雨のやつどこいったんだ?分かるかリリ?」
『わ、わかりません・・・っ!突然生命反応が消えたのはあの時の詩架さんと由佳さんのときと同じ現象です!』
その言葉を聴いた瞬間に頭の温度は一気に冷え切った。
つまり、一番賢いやつを失っての、振り出しと同等のレベルからのやり直しということか。
全く嫌になる。
礫は深くため息をつき、気が進まないが仕方なく少女と相対する。
(勝負は銃身の向きを変えると極端に精度の下がる、撃つ直前か・・・)
じり、と神経を使いすぎるために発するスパーク音が耳に響く。
いつでも動けるように義足へエネルギーを出来るだけ貯めながら見極める。
キ・・・シ・・・
鉄の軋む音と指が動いたのを同時に把握した瞬間に義足のエネルギーを爆発させて地面すれすれを飛びながら少女の胴体へタックルをかます。
普通の人間ならばアバラの二・三本はおろか全部折れても仕方ないレベルの衝撃を与えることになってしまうが、礫はこの時点である種の見立てを立てていた。
この年の少女が片手で拳銃を撃つのは至難の業。
そして草を掻き分けてきたときに足が枝にぶつかったときは、いとも簡単に枝が折れている。
これから推測できるのは。
恐らく、かなり低い確率で、というのは分かっている。彼女はロボット、なのだろうか。
その推測を元に危険な賭けをした礫はその賭けに勝った。
ドッという鈍い音と共に少女もろともそのままとぶ。
(嫌な予想が当たっちまったもんだが・・・っ!)
ゴロゴロと転がりながらもなんとかマウントポジションを取ると、少女の右手からひったくった拳銃を眉間に突きつけて礫は言う。
「次生まれるときは、人間だといいな・・・?」
礫はそう言って引き金を引こうとしたが、それを止める要因が少女の顔を流れていた。
(涙・・・?)
ロボットとは分かっていてもどうしてもその涙を見てしまっては指が止まってしまう。
「はやく・・・撃ってください・・・」
そういう少女は明らかに、人間の感情を持った声だった。
「私は貴方に殺されても仕方ないことをやりました・・・早く・・・撃ってください・・・」
そう言う少女に突きつけていた拳銃は、次第に礫の体を通じて震え始める。
(いつ敵に戻るかも分からない。ましてやこれが演技だといわれても仕方ない状況。定石ならばここで撃つべき・・・俺達はそうしてきた・・・はず)
しかし、少女に拳銃を突きつけて俺は何をやっているのだろう、という心の声は無視できるほどの小さな声ではなかった。
そしてとどめには、その少女の雰囲気が、どことなく今施設で待っているであろう花憐に重なって見えたのが決定的だった。
「撃てる・・・わけ・・・ねぇだろ・・・お前は殺されても仕方のないことをしたのかも、知れないけどな・・・でもな。俺はお前の撃ったアイツが死んだとは到底思えねーんだ。大丈夫さ、お前が人を撃ったことを後悔しているなら、それは安心していい。お前の使ったこの程度の銃で死ぬほど、やわじゃあない。」
礫が涙を貯めながら言うと少女は震える声で答えた
「今はいいですけど・・・いつ私がさっきの機械に戻るか分からないんですよ・・・?」
「はっ・・・馬鹿だな・・・お前程度のチビ一人が不意打ちしてこようが片手であしらえるっつの。」
そう言って笑う礫に釣られるようにして、礫に組み伏せられている少女もクスリと笑った。
「ハン、いい笑顔もってんじゃねーか。」
最後まで読んでくださってありがとうございます。
間を詰めてかいてみたのですがいかがでしたか?




