第四幕 第二節:小さい真実
私は嫉妬しているのかもしれない。
いや。
嫉妬している
この感情は初めてではないんだもの。
この感情は・・・・確かに、知っている。
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「うぇへうぇへ・・・ネーチャンキレーヤノウ」
「・・・久しぶりの対面だってのに飛ばしすぎ・・・じゃないかな。」
礫が呆れてみているのは、とある姉妹の片割れの姉だった。
その姉・梨魅がよだれを垂らしながら見ているのは・・・
「は・・・恥ずかしいよやっぱり・・・・」
実の妹・魅麗だ。
「いやぁおじさんこんな可愛い子がこんな可愛い服着てて理性を保てるほど聖人君子じゃあないんでぇ・・・うぇへうぇへ・・・」
ダメだこいつ。腐ってやがる遅すぎたんだ。
そんな礫の良く使うフレーズが頭に思い浮かぶ。
「ほらいい加減梨魅もシスコンをやめて行くよ。」
悠介のその言葉に我に返った梨魅は、何事かと悠介に問う。
「はぁ・・・リリから聞いていなかったのかい?あと携帯にも連絡したはずなんだけどね・・・・影が、出たんだ。」
「えーまたー?」
相変わらず軽いノリだな。
そんなことを思いながら答える。
「その分だと詩架と由佳が居なくなった事も知らないね?」
「え?なに?愛の逃避行?まじで?あの二人そういう関係だったの?」
あまりに妙なほうこうに食い付きのよさを見せる姉に呆れながら妹が言う。
「お姉ちゃん違うよ詩架くんはどっちかっていうと琉雨ちゃんに寄ってるんからね?あるとしたらきっと由佳が攫ったんだよ。」
「そ れ も ち が う」
全くこの姉妹は・・・姉はともかく妹も常識人かと思えばこれだから・・・
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『き・・・緊張しますね・・・』
「そりゃまたなんで?」
礫が脳裏に響くリリの声に答えると、リリはおずおずといった様子で言う。
『だってホラー苦手なんですよ・・・』
「えぇ・・・お前そーだったっけ?」
『そうですよぅ・・・』
若干。
違和感があるな。
長い睡眠で人格に影響が出たのか?
そんなことを考えながら草根を掻き分けて既に死体になっているであろう二人組みの片割れを探す。
『やっぱり・・・いきて・・・いないんですかね・・・』
リリのその問いに、一瞬礫の足が止まるが、すぐにまた歩き始める。
「そりゃあ生きては・・・いないだろうな。初対面で逃げられた人間は俺は一人しかしらねーよ。」
詩架。
アイツは思えば昔から超人的な人間だった、のかもしれない。
『初対面・・・それに・・・不意打ち・・・ですか・・・』
「ああ・・・」
この話になるとどうしてものうに浮かぶあの名前。
笠花 鈴
そしてその妹の
笠花 リリ
そろそろこの二人について、語る必要があるのではないか。
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筑波山爆発キタ━(゜∀゜)━!
そんな名前のスレッドがたっているのをみて、氷見は相変わらずの情報収集能力の高さに呆れる。
三年前の災厄が終わってから以降、茨城は立ち入り禁止となっているのに・・・
「とりあえず・・・」
カタカタカタ、と氷見は言葉を入力する。
以下、名無しに変わりましてVIPがお送りします *********
やぁ、笠花だよ。
氷見の放ったその一文で、多数あった関連スレッドの勢いが一つに集まり、そのスレッドは熱狂の渦に包まれた。
「すっごい影響力・・・・」
もともとは礫がはじめた掲示板への報告だが、これが予想外にいいものだというのは三年前に実証された。
更に自分達の影響力に驚きつつも、質問に答える。
「まずは・・・っと」
Q筑波山が爆発したって本当?
Aええ、本当です。ちょっと出力加減を間違えてしまって^^;
私が一つの質問に答えるだけでそれに関連して色々と考察する人が出始める。
だいたいは出力、という部分から私達が武器を使ったことを突き止めたり、まぁその程度なのだが。
しかし、
それでもこれだけの人数の中に、察しのいい人間は居た。
否、恐らく全員気づいていたのだろうが、言いたくなかった言葉を言う人間が居た。
以下、名無しに変わりましてVIPがお送りします ******
出力ということは武器を使ったんだという仮説はもう立ってるし割りと真実に近いと思うんだけど。
ってことは。既に三年前の正体不明の敵が既に出現している、或いは出現する兆候があるということだよね?
その一人のレスポンスに、掲示板の空気が一瞬で静まる。
氷見の答えを待つように。
笠花◆ksetga56 ****
正解。
加えて言うなら前者が当てはまるって事かな。先日行方不明になった片割れに取り付いたのは倒したけど。もう一体は見つかっていない。
不安に思うかもしれないけれど、逃げるなら逃げたほうが良いよ。でもどこが最善の逃げ場所かは、分からないけれど。
実際私たちもそれほど詳しいわけでもないの。
その氷見の書き込みに反応した掲示板の住人達の温度差は0度と100度。言い換えればどちらも100℃ともいえる状況に分かれた。
片方はこの事をポジティブに・・・言ってしまえば大して考えずに祭りに仕立て上げるもの。
そしてもう片方はこの事を受け止めて気持ちを静めるもの。
パニックにも近い事態が起こった。
しかしこれは予想されたもので、三年前に私たちは掲示板の住人達に言ってあったとおりに私は行動する。
笠花◆ksetga56 *****
安心は出来ないけれど、でも三年前以降に参入した新参は知らないかもだけど約束したはず。
難しいとは思うけど。
冷静に行動をお願いします。
それと
これをふざけて受け止めているなら。私達は貴方達を軽蔑します。
三年前、状況をしらせるために戦闘のさなかの動画などを送っていたのだが、それを保存していた人間達がふざけてURLを貼り始めたのだ。
それに、氷見の感情ボルテージは一瞬でMAXになった。
『だ・・・大丈夫ですか・・・?』
心拍数などのせいか、リリに心配されるがそれを受け流すようにして返事をして次いで書き込む。
笠花◆ksetga56 ****
釣りといっている方もいらっしゃいますが実際筑波山の四分の一が吹き飛んだことは事実です。認めてください。
その氷見の書き込みに本当に事が置き始めていると把握しはじめたのか、段々と騒ぐ連中が少なくなってくる。
「報告はこれ以上です・・・と。」
そう氷見が書き込みをすると、励ましの言葉がいくつか飛んでくる。
それを確認して下半身の擦り切れた部品を交換しながらため息をついてリリに言った。
「全く・・・世知辛い世の中だねぇ・・・・」
『ええ・・・色々ないみで・・・そうですね・・・・』
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[おい、ミツカンネーヨどーすんだよもう30分経過したぞ?]
脳裏に響くネットワーク無線の愚痴に呆れながらも、律儀に反応をしてやる。
「馬鹿いうんじゃない。まだ経った30分だぞ?」
[そらそーだけどよーぉ。しかたねぇなぁ。っつか影が居るかもしれないってのにこんなに軽装備でいいのかよ?]
「影・・・まぁ居るかもしれないがどちらかというとこの捜索は奴らがここに来るに至った原因があるはず・・・という予想の元にやってるからな。」
[小難しい説明どーも。お前って実はあたまわりぃだろ。]
「さんざん詩架に言われたよ。」
[あぁ・・・まぁ・・・どんまい・・・]
何故礫がそんなにも気を使うのかといえば答えは簡単。
詩架は人を貶めるときはとことんまで落とすからだ。
「あの詩架の癖はどーにかならないのか?」
[ならねぇな。]
「なら仕方ないな。」
[いや仕方なくは・・・ないようでないようで・・・どうだろう]
「人の性格なんて簡単に変えられるものでも・・・」
琉雨がそういいかけたのを、礫の声がさえぎった。
[悪い話とぎるぞ、何か手がかりっぽいもん見っけた。]
その礫の言葉に、琉雨の体が一瞬で緊張する。
[リリはこの言葉を録音、そして今現在所在が分かってて回線占有率が少なくてすむ人間にだけ送れ。]
『分かりました。』
リリのその言葉の後、一瞬のノイズが生じた次の瞬間には悠介と氷見の回線参加を示すアイコンが右下のネットワーク参加者一覧のところに加わった。
[こいつぁ・・・まさか・・・]
サッサッと何かを振り払う音の次の瞬間には礫の押し殺した声が聞こえる。
[R・・・A・・・I・・・N・・・RAIN・・・こんなところにRAINの社標・・・?]
その礫の続きの言葉を、誰もが言葉を殺して聞いて待っていた。
が。
[誰だ!]
礫が発したその声には殺気が篭っている。
次いで、パンパン、と乾いた音が響いた。
銃声か!
頭の中でそう気づいたときには考えるよりも早く足が動いていた。
間に合え・・・っ!
最後まで読んでくださってありがとうございます。
RAINとかいてて何か違うスペル書いた覚えがあると思ったら予想通り以前出したときに間違っていましたorz
こんな単純なスペルミスをするとは・・・
感想・評価ありましたらよろしくお願いします!




