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第二幕 第五節:ラウンド2

ドスッと東側の最後の一人を切り伏せると、疲れて固まった体を伸ばすようにして伸びをする。


「くっ・・・ふっ・・・・」


コキコキコキ、と鳴る背骨を右手で押さえて呻く。


あの神塔と呼ばれる中から大量に出てきた兵士を西と東の二つに分けて各個撃破。


まぁ単純な方法だ。


雰囲気から見てもたいした奴は居ないように見えたし、それに何よりいち早くあの心臓を届けるには全員と戦ってからよりもひきつけてその場所から引き離す方が速い。


そうしてちょっとばかり神塔から離れてしまったが、敵兵を全員気絶させたので神塔へと足を向ける。


「さっさと帰ろう。」


そう言って左手に持つ剣を腰の鞘に収めようとすると、背後から聞きなれた嫌いな声が聞こえる。


「良くもやってくれたな・・・?」


その声に反応してとっさに右目を瞑りながら振り返ると、そこに立っていたのはギムニとコトリの二人だった。


「もう目覚めたのか、タフだなおい。」


呆れ顔でギムニにそういうと、何故かギムニは得意げな顔をしたかと思えば右手に小槌を構える。


「この世との別れは済んだか?」


「生憎もう三年前に済ませたよ。何故か生き残ってるがな?」


「フン、三年前だと?ふざけた事を。意味の無い問答は必要ないな。」


「珍しくその意見には同意するね。」


詩架がそういうと、ギムニは徐に小槌を地面にたたきつけた。


「御託はもういい。」


ギムニはそういうと吹き飛んだつぶてを自身の周囲に漂わせ、それを鎧のように身に纏う。


「さしずめアースアーマーってところか?」


ニヤリと口端をゆがめてギムニはそういうと1数メートルある距離の向こうで右腕を引き絞る。


嫌な予感がする。


詩架がそう思う間もなく、ギムニは右腕を思い切り突き出した。


一瞬何も起こらなかったかと思ったのだがその勘違いは予想の斜め上を通る事実によって払拭された。


ゴッ!という音が響いたかと思えば気付いた瞬間には視界一杯に岩石が広がっていた。


咄嗟に頭部を腕で包んで防御に走るがそれでも巨大な岩石が体にぶつかった衝撃は十分に堪える。


「グッ・・・・」


潰された肺からもれ出る空気にむせ返りながら顔を上げると、ギムニが目の前で優越感に浸った表情を浮かべて立っていた。


「どうだ?俺の実力は。」


「ああ・・・確かに、強いな。」


詩架はそれだけ言うと剣を支えにしながら立ち上がった。


「まぁなんだ。俺も殺すまでとはいかない、が。一矢報いる事ぐらいなら、できるさ。」


詩架はそういうと突然右目を開いて剣を横一文字に振るう。


ギムニにあたる事を祈っての事だったが、空気が裂けただけで固体が裂けたような手ごたえはない。かわされたのだろう。


見てみれば今の一瞬で後ろにあとずさっている。


「なかなかどうして動きがはえーじゃあねぇの?オッサン」


詩架がふざけた調子でそういうと、ギムニは軽蔑の視線をこちらに向けて言った。


「その目、一体お前は何物なんだ?」


「おいおい嫌だねぇ、知らないものは全員化け物ってかぁ?おい心が小さいねぇ全く。」


詩架が首を振って呆れたようにため息をつく。すると次の瞬間にはギムニの視界から詩架が消えていた。


「いやはや、この右目は俺にも分からなくてなぁ・・・どーいったもんなのか、何故俺たちの身体能力が上がるのかなんて事も全部分からない。唯一つ言えるのは。」


ギムニの背後にたった詩架は刀身を首に当てながら静かに言った。


「アンタは毎回油断しすぎだ、ってぇことだな。」


詩架はそういうと刃のついてない方、つまり峰打ちでギムニの首筋を叩いて気絶させる。


ギムニが気絶した事を確認すると詩架はゆっくりとコトリに向き直って言った。


「お前、評議会に不満があるんだろ?それに今回の宝玉の件に関してもわかったはずだ。評議会は風の部族はなんとも思っちゃあいない。そのうちお前も使い捨てられるぞ。」


詩架がそういうとコトリはビックリしたように肩を震わせる。


「選択しろ、今ここでこいつ等に従って俺と戦うか。それとも自分に従って・・・いやこの言い方はおかしいな。とりあえず選択肢は三つだ。俺と戦うか、俺と一緒に行くか、それとも逃げるかだ。さぁどうする?」


詩架がそう問いかけると、コトリはしばらくの思案の末に小さく答えた。


「僕も、評議会には何かと疑問を持っています。今の所は貴方のほうが正しいと思えるので貴方についていきます。」


コトリのその答えに満足した詩架は剣を鞘にしまいながら笑って言った。


「上出来だ。」

最後まで呼んでくださってありがとうございます。


最近の悩み事:戦闘シーンというか全てにおいてスピード感がない。

どうしましょうorz


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