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フォラードの光  ― 星の記憶者 ―  作者: あけの星
第二章

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29/46

運命の出会い⑷


 ウタハは、自分を包んでいた白い光が徐々に薄くなるにつれ、酔いが醒めてくるのを感じた。

 

 隣に腰を下ろしていたエランが、微笑んだ。すると光は消えて、ウタハはいつもよりもずっと元気になった気がした。魔力さえ強くなったと思えるほどに。

「やっぱり、きみには古の保護魔法がかかっているね。だから回復が早い」

 エランがウタハを見つめる。

「え、どういうことですか?」

「知らなかったの? 最低限の、命を守る結界だよ。古い魔法だから、私にも解除できないくらいだ」

「知りませんでした・・・そんな結界がなぜ?」

「まいったね、きみは何も聞いていないのかい?」

「聞いていません」

「うーん、きみはたしか養女として育ったのだよね、どうして養女になったのか聞いたことはないのかな?」

「ありますけど・・・」

 彼が、養女であることを知っていたことに驚きながら、アミラから聞いた話をした。

「やはり、肝心な話は聞いていないようだね」

 エランが少しがっかりした声で言った。すると、肉を頬張りながらマロウズが横から口を出した。

「無理ないよ、本当のことは言えないだろうしね・・・あ、でも彼なら・・・タージェルンなら少しは知っているかもしれない」

「うむ・・・いや、彼も館の関係者だ。口は堅いだろう。他に昔のことを話してくれる者はいないだろうか?」

「あっ」

 何かを思い出したらしいマロウズは、エランのかたわらに自分の椅子を引き寄せて座る。

「思い出したよ、いい人がいるじゃないか」

「誰だ?」

「イスゾール山の賢者だよ、人に会わないので有名な賢者だけど、おれたちだったら会ってくれるかもしれない」

「ああ、そうだね、彼は古い知識を持っている数少ない賢者だ。ウタハ、きみも自分のことを知りたくないかい?」

「知りたい、わたしも行って聞きたいです。でも会ってくださるんでしょうか? その賢者は」

「たぶんね。以前おれたちが彼を助けたことがあるんだ。崖から足を滑らせて、木の枝に引っかかっているところをね。それに最初気づいたのはエランだったよね」

「そうだったね、ちょうど二人で馬駆けをしてたんだ。どちらが早く崖の上まで駆け上がれるかの競争でね。しかし、あれは楽しかった」

「あの、あなたたちは、お友だちなのですか?」

 二人が、思い出にふける表情で、楽しげに話すのを見てたずねた。

「まあ、そうだね、マロとは友であり、魔法師の同期であり、先輩でもあるのだよ」

 エランの言葉に、ウタハは首をかしげる。

「同期であり、先輩って?」

「この前、おれが話したことあったろう? 魔法の訓練の途中で家に帰ってしまったこと。あの頃、館長のもとで一緒に学んでいた同期なんだ。今、おれは再び館に戻ってきて、魔法を学んでいるが、戻ってくるまでの五年間のあいだに、エランは館長を上回る魔法師になっていたのさ。それも古の魔法師だよ。だからね、今はエランが先輩ってこと」

 マロウズが説明した。

(それで・・・エランは白っぽいグレーの長着を着ていたのね。やはり、上位の魔法師だったんだ。しかも『古の魔法師』の名を得るほどの人だったなんて・・・)

 古の魔法師の名を得るには古代魔法を習得せねばならない。高度な魔法の使い手でもかなり厳しい狭き門だと聞いていた。


「でも、私たちの友情は変わらないよ。親友だし」

 エランは、マロウズを見て言う。

「うう、もちろん、おれだってそうさ。でも五年の空白は大きいよ。くそっ、いまに追い越してやるから、エラン、覚悟して待っててくれ」

「楽しみにしているよ。これからも、びしびし特訓してあげるから」

「うへっ、おまえの特訓は、きついよ」

 二人は何かを思い出したように、あははと笑い合った。

 マロウズが王城で特訓を受けていた古の魔法師とは彼だったのだ。

 ウタハは彼らの間に、強い絆があるのを感じた。


「そういうことなんだが、賢者に会いに行くのはかなり大変だぞ。おれたちは訓練だと言って出て行けるけれど、ウタハは一応、監視状態にあるからな。それに、明後日からは新しい教室への組変わりだ。ノクィース先生の目は、ちょっとやそっとでは盗めない。行くとしたら、休みの明日しかないな」

「そうなのか? うーん、なんとか明日、外出の口実をみつけられないものかな」

 マロウズとエランは考え込んだ。

 ウタハは、マロウズがノクィース先生のことを知っていたのが意外だったし、明日なんてほんとうに行けるのかしらと、半信半疑だった。


 エランが口を切った。

「そうだ、私が王城に招待するというのはどうだろうか? 父上ほどの力はないが、そのくらいなら、私も人を動かせるよ。マロが護衛をするということで館長に伝えよう」

「なるほど、それがいいかもしれないな。こっそり王城を抜け出して行くか」

 二人はうなずき合っている。

「あ、あの、王城って・・・? 招待するっていうのは?」

「エラン、まだ話してなかったのかい」

「ああ、マロから話してくれると思ってたのだが・・・」

「そのくらいは、ご自分でどうぞ、()()()

「ええっ?」ウタハは声を上げた。(王子様って・・・)



 




今回も読んでいただき、ありがとうございました!m(__)m

たくさん書けたときは、火曜日にも投稿掲載する予定です。(いつもではありませんが、たぶん・・・)

どうぞ、よろしくお願い致します☆


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