息苦しいー部下
仕事から帰宅する途中、娘がどの辺を歩いているかGPSでチェックする。
もうマンションの角まで来ている。やばい、今日も娘の帰宅に間に合わない。
途中でタクシーを拾おう。
そもそも、こうなった原因は?
帰宅直前に声をかけて「今日承認してもらえないと締め切りに間に合いません。間に合わなくていいんですか?俺はいいですけど、完璧主義な西園寺さんはそれでいいんですか?」と言う部下。
部下から上司への圧力もハラスメントの時代だと全く気付いていない態度にまたイライラする。
でも、イライラする方が負けだ。こういうときこそ落ち着いて対応するんだ。
「わかりました。今承認してから帰ります。」
急いで書類に目を通すと早速ミスが見つかった。一瞬目を通すだけで気付けるミスにどうして気付かないのだろう、とまた残念な気持ちになる。
「こことここを修正して再提出してください。家についたらすぐにパソコンを開いて承認しますので。」
「すみません、直します・・・」
言葉では謝っていても、ミスを指摘されていらついていることがよく伝わってくる言い方だ。
しかし、かまっている暇はない。
この人はハラスメントあふれる態度のせいで部署異動を繰り返しているのだ。
この不毛なやり取りを終えて、今ようやくタクシーに乗ったところだ。
一瞬、すべてのイライラを忘れてタクシーに身をゆだねよう。
今日もタクシー代がかさんだが、家に早く帰らねば。