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父とカレンダー

作者: なぎさ

私の名前は桜。成績は平均的、顔も運動もそこそこのごく平凡的な小学2年生だ。

友達は普通にいるし、ゲームもやれば、公園で遊んだりもする。

良くも悪くも普通で目立たないことが取り柄のような女の子。


しかし唯一、私にも変なところがある。

いや、変なのは私ではない。私の父だ。


父は普通のサラリーマン。

プログラミング?なんかをやっているみたいだけどよくわからない。

年収はちょっと高いらしい。

いつも疲れていて無口。笑ったところは見たことない。

毎日を淡々とこなしていて、何をしているかを見れば今の時間がわかるほどだ。


そんな父の行動で最近気がついたことがある。

カレンダーが目に入るとスッとそのカレンダーに触れるのだ。

何をやっているのだろうか。その行動にどんな意味が?


家の中だけでなく外に出かけた際もこの行動は変わらずにやっているようだ。


今日、私は父と買い物に来ている。

勉強を頑張ったご褒美に100円ショップで好きなものを買ってくれるという。

雪がちらつく極寒の中、厚手のダウンを着込んで近所の大手チェーン店の100円ショップまでやってきた。


もうすぐ年が変わる。西暦でいえば2023年から2024年に。干支でいうと兎から辰に。

店内には門松や鏡餅、辰の置物など季節を先取りした商品が並んでいる。


ふと父をみるといつも通り、来年のカレンダーに手を触れていた。

私は満を持して、いつも思っていた疑問をぶつけてみることにした。


「パパ、何してるの?」


父はいつも通りの小さくか細い声でこう答えた


一日ついたちについタッチ」

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