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良いでしょう、ならば
やろうと決めれば速かった。数分で決まった約束に彼女の言葉を思い出す。いやいや、絶対にありえないから。
相手は結構乗り気で少し引いた。
さて、どうしようか。話題が思い浮かばない。あっちに提供させてもいいが、こっちの情報を知られたくないな・・・これを言ったらまた色々言われそう。
とりあえず、当たり障りのない話題を探しておかないと・・・
なんでこんな苦労をしなきゃならないのか。
「・・・絶対破談にしてやる」
苦労するのだから、それくらいは・・・ね?
あ、親への謝罪の言葉も考えておこう。
「あーあ、なんでこんな事しなきゃいけないのよ」
何度も文字を打ち込んでみては消していく。
納得するまで書き直していると時間はどんどん過ぎていった。
「疲れた」
毎回こんな苦行に耐えなきゃいけないのか。