告げられた予言
希望の剣第一話です。この度はこの作品に目をとめていただきありがとうございます。ぜひ最新話まで読んでいただけると幸いです。
「この世界はとても醜い。人々が争い、毎日のように無駄な犠牲が出る。そうして犠牲となった人々の憎しみが溜まりに溜まりこの世界は壊れようとしている。私はこの世界を変えたい。君もそんな風に思ったことはないかい?」
ここで俺は目が覚めた。最近この夢を見続ける。この夢に出てくる男は誰なんだろうか?どこか不思議な親近感を覚えるのは何故だろうか?いやそれよりもなぜこの夢を見続けてるのだろうか?俺は不思議に思っていた。あの出来事が起こるまでは。
この日俺は突然祖母に呼び出された。俺の祖母は占い師だ。占星術という占いをしているらしい。祖母が素晴らしい占い師であるのは確かだと信じたいが、祖母は人前に出ることを嫌う。人を占う仕事なのにだ。そのせいか俺も家族も祖母が普段何をしているのかわからない。それどころか本当に占い師なのかも知らない。とにかく、俺は祖母に3年ぶりくらいに会う。家族ではあるがとても緊張している。一体何の用なのだろうか?
俺は祖母の仕事場に着いた。相変わらず薄気味悪い場所だ。目の前にあった扉がひとりでに開く。「久しぶりだね、エルピス。中にいらっしゃい。」扉の中から声が聞こえた。エルピスとは俺の名前だ。そしてこの声は祖母の声。
中に入るとすぐそこに祖母がいた。。
「久しぶりだね。」
「何の用ですか?」他人行儀な返事をしてしまった。
「今日はあなたにとても大切なことを話すためにここに呼んだの。とても大切なお話なんだけれども、信じてもらえるかわからない」
「そんなにかしこまってどうしたの?そんなにおかしな話なの?」
「とにかく信じてもらえなくても話すわ。私たちには時間がない。もうじき私たち非人族は滅びる運命にある!」
祖母の顔は真剣だった。
祖母の歳は95。とても長く生きているが、魔法の腕は衰えていない。
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