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クロモリ伯爵②

第46章

 王都、スワルトイ邸。


 ボルト家令は、いつ休んでいるのかわからないが、常に同じ状態で、スワルトイ公爵に仕えている。


 「公爵様、ヒロイ様がお見えになりました」

 「うん、通してくれ」


 「お爺様、おはようございます」

 「ヒロイ、これから保育園に行くのか?」


 「はい、お母様は、まだ戻る予定はありませんか?」

 「ヒロイ、すまない、今日はヒロイの生まれた日だ。モモガロンも国王陛下も不在で、寂しい思いをさせた。


 「大丈夫です、きっと、今は、お姿を隠して、悪の元を炙り出しているのでしょう」


 「うん、ヒロイは、利発だと部隊長が言っていたが、誠に、利発である」


 ヒロイは赤い顔をして、お爺様を見て、尋ねる。


 「お父様とお母様が不在で、王宮からは、何も言ってきませんか?」


 「ヒロイ・・、お前が賢い事は、私には理解出来ている。しかし、ヒロイを王宮に行かせる事は出来ない。ヒロイの為に、モモガロンがして来た苦労を思うと、できない相談だ!わかるかい?」


 「はい、お爺様」


 「うん、行ってお出で、ドアの向こう、ソニアが待っている」


 小さな体で、大人用の椅子から飛び降り、手を振り、ヒロイは出て行った」


 「公爵・・・・」


 「モモガロンも、ヒロイも、もっとわがままを言ってくれたらどんなにいいだろう・・・」


 「しかし、それでは王位継承は、受けられないのではないでしょうか?」


 「前人の魂が、それを許さないのだろう・・・・」



 この国では、すべての人の誕生日を15日として祝う。


 ヒロイの場合は1月7日に産まれていても、15日に誕生会を行う。すべての国民は12ケ月の15日が誕生日で、毎月の祝日でもある。


 それにより、王位継承の式典は、皇子が3歳の15日に行われる・・・予定だ


 その日は、必ず出席しなければならないが、ヒロイの頭の中では、その前に決着をつけたいと考えていた。


 その考えは、自分がオトリになって、クロモリ伯爵の正体を世間に知らしめる事だった。


 「お爺様・・・、流石に僕よりも考えが深い」しばらく様子を見るしかない。


 スワルトイ領、別宅


 「国王陛下、王都では、クロモリ伯爵が、国王陛下の代わりを名乗り出ました」


 「クロモリ伯爵・・?」


 「誰だ?」


 「はい、サポールトによりますと、先代の国王の元で、北の領地に送られた両親のご子息で、前クロモリ伯爵は、4年以上、立派にその地を治めていましたが、病気で亡くなり、その後、夫人も亡くなったそうです。前国王陛下は、恩赦の為、爵位は、夫妻のご子息に継承を許可し、領地を持たない伯爵となっています」


 「前クロモリ伯爵の罪は、モグクライ国に情報を流した罪と記載がありました」


 「あの地で・・4年も生きて行くには、誰かが援助しているか、何か特別な知恵がなければ生きて行く事は困難だ」


 モモガロンが、


 「コウモリは、特殊な籠に入れられて、売買されるのです。その籠は、どこで生産されるのでしょう?」


 「モグクライ国は、情報を流してくれていた恩だけで、4年も前クロモリ伯爵を援助する程、余裕のある国ではないでしょう?例え、ファラブ領の一番の貧困の地としても、内戦続きの国に、余分な資金はありません」


 「ゼミクは、自分が精霊持ちだから、他の皇子達は攻めて来なかったと、言っていました。他の皇子達は、精霊持ちではなかったでしょう。しかし、国内に自分のコウモリを売る事は、自分の首を絞める事となる。だから、国を捨てたゼミロクを頼って、換金していたのかも・・・」


 「それには、特殊な籠が必要になる」


 コベルが、

 「モグクライ国には、精霊持ちがいなかったとして、どうして、ゼミクは、国王に成らなかったのでしょう?彼は、病気でも、国王陛下を倒すだけの力があるのに・・・」皇子で、力があり、人望も知恵も持ち合わせていて、常に内戦が起こっている国で、彼がそうしなかった理由は・・・?」


 「その籠に秘密があるとしか思えません」


 「その籠は、北の領地で生産が出来る。ある程度、モグクライ国に納品した時点で、援助はなくなり、前クロモリ伯爵夫妻は、亡くなった?」


 「今、あの地にいるのは、オリナス伯爵です」

 「何とも・・また・・、厄介な人間を送ってしまった」


 「推測ですが、オリナス伯爵とクロモリ伯爵は、多分、繋がっている」そうでなければ、このように堂々と、王宮に入り込む事はできない」


 「その籠の正体は、精霊を閉じ込める事が出来るか、あるいは、精霊の力を弱くする力がある?ゼミクは、それを知っていたので、自分の国には、助けを求めないで、スワルトイ領に、何度も交渉に訪れたのでしょう」


 「そうなると、今、国王陛下が、モグクライ国を攻めても、その籠と同じ素材の物が国中に使われていたら、決して勝てないし、あるいは閉じ込められてしまう可能性があるのでしょうか?」


 「陛下は、他国を攻撃するような、そのようなお方ではありません」


 「イヤ、それは、例え話で、そのような事が、クロモリ伯爵によって、このヴィッセルス国でおこなわれたら・・、大変だと思いまして・・・」


 シャドウ宰相が、やっと回復して、部屋にやって来た。

 「シャドウ宰相、大丈夫なのか?」


 「はい、トワのアンモナイトを食べつくしまし、北の領地で、入浴中のオリナス伯爵を連れて来ました」


 シャドウ宰相が、投げ出したオリナス伯爵は、当然のように真っ裸で、水浸しの状態で、国王陛下の前に姿を現した。


 「ギャー!! 」と叫ぶシルガーとマルサナ」


 モモガロンは、とっさに国王陛下の後ろに隠れて、背中に顔を埋めた。裸のオリナス伯爵を見る事は大したことではないが、流石に、「ええええ・・! 」と思い、そして、今のトワくんを想像していた。


 「クワバラ、クワバラ・・」


 サルポートがその辺のベットカバーを、オリナス伯爵に掛け、国王陛下が話を始める」


 「久しぶりだな」オリナス伯爵・・・」


 「こ、国王陛下、失礼にも程があります」私は、あなたが娶ろうとしているモモガロンの親戚にあたるのですよ」


 サルポートは、オリナス伯爵がモモガロンの名を出した時点で、オリナス伯爵を抑えつけた」


 「痛い、痛い、モモガロン! 止めさせろ!」


 コベルが、

 「あなたが、その口で、お嬢様の名を呼ぶ度に、力が入ると思って下さい。汚らわしい、立場をわきまえろ!」


 4人は、今にもオリナス伯爵を仕留めるような目で、じっと、オリナス伯爵を見ている。


 国王陛下は気にせずに質問をする


 「オリナス、随分といい身分だな?風呂に入っているとは・・薪はどうした?王都から持って行ったのか?北の領地の住民たちは、結束が固く、よそ者には、薪や食料を売る事はしない。自分たちの生活に必要な物は、夏の間に蓄えて置く習慣がある。流刑者を送り込む代わりに、国は、税金などの徴収はしないが、慎ましく生活していて、大金よりも、物資を重んじる人々が多い、それなのに、お前に物資を運んでくれる人間が、いるのか?ーーーそれは、誰だ?」


 「こ、こ、国王陛下、薪、薪は、王都より持って行きました」


 「しかし・・、突然の流刑にしては、随分と準備がいいな、やはり、何時か流されると思っていたのか?それとも・・・?」


 「陛下、許して下さい」お願いします」彼の言う通りにしないと、あの地では生きて行けません!一人、たった一人です。妻も子供も、使用人さえいないのです・・生きて行けません! 」


 そのまま、オリナス伯爵は、床に伏せて泣きながら許しを請う


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