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モモガロン誘拐される。

第40章

 モモガロンは、自分を好きだと言ってくれている男性を前に、頭がピンク色のなっていると、感じた。

 (どうしたのだろう?)


 ーーOL時代は、周りに沢山の男性がいて、気軽に付き合って欲しいと、申し込んできた人もいた。


 相手が、気軽だった為、自分自身も気軽で、交際をして、別れる。結婚とかは、考えた事もなく、毎日、いかにミニマムに過ごすとか、駅に行くまで、会社に行くまで、仕事が終わるまでの効率を考える事は、すごく好きで、掃除も好きで、料理も好きで、音楽を聴いて生きて行く事が好きだった。


 「わたし・・モモガロンなんだ・・・・」


 モモガロンは、10代で、学校生活を送っていて、この国一番の青年に結婚を申し込まれている女の子・・・。これから、起きる事にドキドキして、国王陛下が、次に何を話すのかを期待して待っている。


 「モモガロン、どうした?食欲がないのか?」


 モモガロンは、慌てて、首を振る。10代で、素敵な恋愛をすることは、大切なイベントだと、この状況になって実感できた。胃が食べ物を受け付けないほど、ドキドキしていて、恥ずかしいと思える。


 例え、二人の間には、すでに、ヒロイが存在していて、良く知っている仲だとしても、陛下の気持ちが、本当に私を好きなのか・・・今、この瞬間、気になってしょうがない・・・。そして、自分が欲しい答えを、国王陛下が下さる事に期待している。・・・あぁ、これは、きっと、恋だわ~~。


 「陛下・・・、沢山の贈り物ありがとうございます。毎日のように、プレゼントが届いて、申し訳なく思っております」


 「そんな事、気にしないでいい。本来なら、スワルトイ公爵に結婚の承諾を頂く時に、持参する贈り物も、まだ、届けていない。それには、意味があって、初めから、やり直すつもりだ」


 「??????」


 「僕たちは、出会って、お茶を飲み、食事をして、デートをして、手を繋ぎ、キスをする。互いの気持ちが固まって、結婚の申し込みをして、それから、僕と君は結婚をする」


 「僕は、悪の精霊の退治で、女性と付き合う時間が無かった。君は、特殊な環境の中で、社会に出ることもしなかった。しかし、僕たちには、すでにヒロイが存在する。僕は、ヒロイの存在を知る前から、君の事が気になっていた。しかし、好きになった少女に、酷い事をした。すまなかった」


 「陛下・・・、そのように言わないで下さい。あの時の事は、本当にあまり記憶がないのです。それに、ヒロイの父親が、国王陛下で、良かったと、思っています。ただ・・・・」


 「ただ・・・」


 「・・・なんだか、恥ずかしくて、今までは、何も気にしないで出来た事が、・・・できません。国王陛下の前で、食事を取ることも恥ずかしいです」


 「ははははは・・、うん、わかった、少しだけ、食べて、早く家に帰りなさい。ヒロイが待っている。ーーハハハハハ・・・・」


 「陛下、笑いすぎです」

 「ははははは・・・・」



 それから陛下は、言った事をすべて現実にしていく。毎日の贈り物が、届き、貴族学校で食事をして、キャンパス内を散歩して、時間がある時は、クールなヒロイも連れて、郊外に出かけて、手を繋ぎ、キスをする。


 甘い恋愛期間は、順調に過ぎて、すでに、冬が近づき、ヒロイ皇子は、もうすぐ3歳になる。


 スワルトイ公爵の屋敷には、王宮より使者が到着して、ヒロイ皇子、3歳の誕生日に、王位継承第3位の称号を受け取る式典が行われると通達された。


 この国は、真の精霊持ちの順で、王位継承が決められていく、ヒロイが3位だと発表された事は、モモガロンも、真の精霊持ちで、王位継承第2位の地位にいる事が、全国的に発表された事となった。


 この式典は、対外的にどうしても必要な式典で、何度も、陛下とスワルトイ公爵、モモガロンとも話し合った結果、開催が決まった。


 そして、年末、貴族学校で受ける授業は、今日で終わる。


 「お嬢様、今日で授業が終わり、後は、来年、卒業試験を受けて、卒業となりますね」


 「ええ、みんなもあと一息です。良く頑張りました。特に、マルサナは、トワくんの家庭教師に感謝して下さいね」


 「はい、毎日、毎日、補講、補講で、どうなるかと思っていましたが、どうにかなりそうです」


 「しかし、そのゼミロク先生は、素晴らしい方なのに、なぜ、貴族学校で、教鞭をとらないのでしょうか?」


 「はい、私もその事を聞きましたが、個別指導が得意で、大勢の生徒を受け持つ事は苦手だと仰っていました」


 「そうなの・・・でも、そのような方もいますよね」


 最近では、5人が歩くと、殆んどの生徒が、一度止まり、モモガロンに対して頭を下げた。


 復学後、表面的には、モモガロンの悪口を言う事は、家門を没落に導く道しるべになる為に、絶対に、モモガロンに対しての対抗意識を現す事は無かったが、しかし、敬意を表す事もなかった。


 それは、スワルトイ公爵の孫娘と言う立場・・・そして、下品な発想・・・。


 モモガロンは、敏感に、肌で感じる事もあったが、モモガロンが王位継承第2位で、真の精霊持ちがわかると、一斉に、態度を変えた。話しかける事はしないが、立ち止まり、一礼する。



 「今日は、国王陛下は、ご公務が忙しくて、昼食には来られません。最後のランチは、私達でと、気遣って下さったのでしょう」


 「本当に・・・、今日で、最後ですね。私達、良く頑張りました」


 「マルサナ・・、それをあなたが言う?」


 「ハハハハハ・・・・」


 のんびりと、学生棟に向かう道で、噂のゼミロク先生に会った。


 マルサナが駆け寄り、ゼミロクに話しかける。


 「先生、どうなされたのですか?何かご用ですか?」


 「ええ、少し用事がありました」


 そう話すと、どこからともなく、沢山のコウモリがモモガロンに、巻きつき、そのままモモガロンは、空に舞い上がり、ゼミロクと共に、連れ去られてしまった。


 「お嬢様~~~~!!! 」


 サルポートやマルサナ達は、一斉に飛び上がり、モモガロンを救い出そうと試みるが、コウモリたちの方が、素早く、後、一歩の所で、連れ去られてしまった。地上で「お嬢様、必ず、助けます! 」と大声で叫びながら


 シルガーは、追跡を始め、車に乗り、どこまでも、モモガロンを追いかけるが車で行くには、限界があり、一人の近衛兵を蹴り落とし、馬に乗り換えた。


 当然、近衛兵たちも後を追い、どこまでも追跡しているが、シルガーの馬の速さには、ついて行けていない。


 シルガーはコウモリたちが向かった山の入り口まで来て、馬を乗り捨て、そのまま山に入って行く時に、コベルに止められた。


 「シルガー! この先は、国境だ! 一度、王宮に帰って、国王陛下の指示を待とう! 」


 シルガーは、初めて、自分の後ろに、コベルがいるのがわかった。


 「コベル、コベルは先に王宮に戻って、国王陛下にこの場所を教えて下さい。私は、このままお嬢様を追います」


 「シルガー・・・、この地域は、陽が暮れるのが早い、それに、気温も下がり、今晩は、雪が降る。・・・このまま、何も準備しないで、山を越える事は無理だ!」


 「無理でも、お嬢様を、見失う事は出来ません。私達は・・・。出来ないのです。アーーー! ちくしょう!」


 シルガーは、何度も、何度も、地面に自分の拳を叩きつけて、泣いていた。その後、後を追って来たマルサナ、サルポートと合流して、その場で、山越えの為の武器や装置の到着を待つことにした。


 日暮れ前、鷹が到着して、国王陛下の指示が、送られて来た。


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