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俺は死んだ・・・・・

殺人事件に巻き込まれた。

運がないと思いつつ真っ暗になったと思いきやいきなり強すぎる光が俺を照らしていた。

なんだこれはと思い周りを見渡すと見えるのは中央に白い机と白い椅子があり他は真っ白い空間だった。

 仕方なく椅子に座るといきなり向かい側に椅子が出現しその次に女性が一人現れた。服装はスーツ、ロングの茶髪で清楚な感じがした。


「うわぉ、びっくりした~」


俺は驚くと彼女は髪をたくし上げ一礼する。

「すみません、そういう仕様なので。私は未来みらいといいます」

未来と名乗った女性は名刺みたいなものを出した。


未来みらい

異世界役所 通行管理課


と書かれていた。ちゃんとしているな~と名刺を眺める。


「あなたはなくなったことに気づいていますか?」

もちろん自覚していた。あんなにされて生き残れるはずがない。

「気づいていますよ」

そういうと少し彼女は暗い顔をみせる。俺の死のことを知っているのだろうか。

「それで、あなたは異世界にいくか。このまま転生して違う生き物になるか選んでもらいます」

そう来たか。いろいろな本やネットでみたことあるのでそこまで驚かなかった。

一から冒険するのは面倒だな。でも違う生物にもなりたくないし~

 腕をくみ考えた後名刺を思い出した。


「なら異世界役所とやらをしてみたいんだけど」


それを聞いた彼女は目を大きく見開いていた。


「まじ?」


そんなに珍しいのか。


「ダメですか?」

そういうと彼女はぶんぶんと首を左右に振る。


「いやいやいや、逆にありがたいよ。人数があまりいなくて困ってたんだ」

やっと増えた。と最後につぶやいていた。


「改めて聞くけいいの?」

とても念を押してくるが俺の決断は揺るがない。


「ええ」

そういうと机の下でガッツポーズしていた。

どれだけ人少ないんだ。


「はい」

パンッと手を叩くと白い空間からモダン風な宿に瞬間移動した。


「ここが私達の事務所的な場所。内装は自由に変えれていまはこんな感じ」

周りを見渡すと何人かがこっちをみて?マークを浮かべていたが彼女は構わず案内する。


「すごいですね~」

思わずこぼれた感想をいうと「そうでしょ!」と目を光らせて答えた。


「さて、まずこれ」

と手渡してきたのは大きな本だった。

「これは?」


「これはマニュアルみたいなものよ」

マニュアルか。中をみるがとても文字が日本語で書いてあり厚さは国語辞典の1.5倍だった。

これは読むのに一苦労しそうだ。


「まずは~、本当にいいんですね?転生とかせずに役所でいいんですね?」

しつこいのか心配性なのか・・・・


「はぁ~、いいですよ」


「はい、これ読んで」

俺は思わず唖然とする。

「私も最初これ読んだのよ~」

よく読めたな~、と感心するがさすがに読みたくはない。

「嫌です」


それを聞いた彼女はニヤッっと笑う。


「ならこれなら読めるでしょ」

さらに差し出してきたのは先ほどのよりもさらに1.5倍された本が置かれた。

これのどこが読めるというんだ。


「中。みてみなさい」

そういわれて中をみると驚くことに漫画になっていた。

 なんか無駄な努力だな。


「一応これをみたらほぼそれと一緒だから読んどいて。ちょっと手続きしてくるから」


そして彼女はその場からいなくなる。



さて・・・どうしたものか。

一応読もうとするがページがページだ。読む気になれない。一番後ろをみるとページが2925ページとなっていた。それなら段階ごとに区切った方が読んだ気がする。

 まぁ数ページは目次や索引などかと思ったが1ページ開いた早々『この世界について』と扉絵から始まっていた。

 

よし、やめよう。

そう思い漫画を閉じるとドアから人が入ってきた。思わず俺は漫画を読むふりをする。


「あれ・・・君は?」

入ってきたのは女性だったが、未来という人ではなかった。


「新人のひいらぎ 琴矢ことやです」

自己紹介をすると彼女は俺の体をまじまじとみる。


「なにかついていたり?」

聞くが「なにも?」で返された。その後なにもせずに出ていく寸前


「その漫画とそのマニュアル・・・未来しか読んでないわよ」

と言って出ていった。

 安心した・・これ読まないと始まらないのであれば今すぐにでも転生してやろうかと思った。



_____ピンポンパンポーン 新人君は今すぐ管理長室に来てください。


放送がなり俺が呼ばれた。だが管理長室がどこにあるのかわからなかった。

一応応接室らしき部屋からでてみるとキャンプ場のような若干広い通路、そして枝のように道が広がっていて動くと逆に迷いそうだった。


ん?あそこにいるのは


奥で一人佇んでいる助言をくれたお姉さん見えた。

「すみませ~ん。管理長室教えてくれませんか?」

近くまでよると若干暗い顔を見せたが俺に声を掛けられた途端すぐに普通の顔に戻った。

「いいわよ。ついてきて」

彼女の後ろについていきながら管理長室を目指しているとやけに視線がこちらに向いているような気がした。景色を見るふりして見渡すと視線は俺ではなく彼女に向いているようだった。

自分に向いていないことがわかったので、彼女のことは気にすることなく進む。


「ここが管理長室よ」

たどり着いたそこには大きな扉があった。

「ありが・・・」

お礼を言おうとするが扉に気を取られているうちにどこかへいってしまっていた。


はぁ~、なんか緊張すr・・・


_____ウィィィィン

準備する暇もなく扉が勝手に開いた。中は学校の校長室を5倍ぐらい広げたような部屋だった。そして奥のデスクのところにまたもや違う女性が座ってこちらをみていた。威圧が混じっていてさらに緊張してしまう。


「こちらに来てください」

ロボットのような動きになってしまいながらも彼女の反対側にある椅子に座る。

「ふふっ、そこまで緊張しなくてもいいのに」

少し表情が柔らかくなり安心する。だがこちらを見つめると美しいのだが目力がすごくなんか焦る。


「でもなにから説明すればいいのか~、あの漫画は読んだ?」

もちろん読んでないので首を横に振る。

「やっぱり読まないか。なら最初から説明しようかしら。君の好きな飲み物はなに?」

説明にそんな情報が必要なのか??

「コーヒー牛乳です」

意外な答えだったのか一瞬目が点になっていた。

「そう」

_______パンッ!

突然手を叩くと机の上に温泉でよくあるコーヒー牛乳とイチゴ牛乳が置かれていた。

「乾杯」

そういって彼女はイチゴ牛乳を飲み始めた。俺も飲もうとするが緊張のあまり手が震えてしまう。


「さすがに緊張するか~」

悟ったのか緊張を解さす手を考えている。

「いま話しても頭に入らなそうだから道案内でもしますか」

そうって彼女は立ち上がるとすぅ~っと息を吐いた。

「インビジブル」

そういうと彼女が突然消えた。そして肩に触られた感じがした瞬間に彼女が後ろに立っていた。


「うわ!」

思わずびっくりしてしりもちをついてしまう。

我ながら恥ずかしいのを見られてしまった。


「驚いた?ちょっとした管理者権限を使って透明化魔法を使っているんだよ。君もいまほかの人からは見えなくなっている。まぁ、見える人には見えるが。もちろん音もシャットアウト」

そして解説した後彼女は扉を開けた。


「なぜこんなことを?」


「緊張を取り払おうとしたこともあるけど、私が外に出るとみんなが整列とか

したりするのよ」

なんとも住みづらそうな人生を送っているな。


「さて、まずはどこを回るか」

そして管理長の道案内が始まった。



透明になり管理長と歩いていると職員たちが噂しているのが聞こえた。


「あの子、生前ひどい人生送っていたらしいわよ」


「それ、俺も聞いたぜ。何人もの男と遊んでたらしいな」


「そうなの~」


といっている。そこに管理長がいるとも知らずに、そしてその噂の人物は管理長室まで連れて行ってくれた女性だった。

 聞かなきゃよかった~、陰口もあったりするのか~。

この職場に少し後悔していると管理長がため息を吐いた。


「まだ解決してなかったか」

解決?なんか問題抱えているのか。ここ。


「まぁ丁度いいか。ここは基本、職員や転生者の前世は言わないことが決まっているんだ。人によってはトラウマを呼び出されてしまうし、過去の恐怖症に過敏に反応してしまう人がいるからね」

 

確かに、俺もあのことはあまり広められたくないな。だいたい読めてきたぞ?


「あ、君の過去を知っているのは、私と未来の二人だけだ。君が言っていれば別だが。彼女の場合知られた人の口が軽かった。絶好の話題だったろうよ」


つまり噂は本当だということだ。そして遠回しに俺に解決させようとしてないか?


「そのせいで彼女の味方は同期の未来しかいないわけ」

同期ね~。俺の同期はいなさそうだな~。管理長の手は借りれないだろうし。


「あ、ここが会議室ね。あっちが食堂。そして会議室の奥がコントロールルーム一般職員は立ち入り禁止だから気を付けるように」


 道案内が終わり再び管理長室に俺は戻った。管理長は自分の席にある書類に手をかけ、俺を向く。


「さて、君の配属先は・・」

 まさか初職場が死後の世界だとはだれが予想したものか。まぁ大体予想はついてる。


「異世界事件解決部第3課だ」

は?


全く聞きなれない配属先で頭が混乱する。

「ようはこの世界で起こったバグや不可思議な事件を調査する探偵みたいなことをするとこだ」

受付ではないんだな。と内心ホッとする。


「さて、決まったことだしこれを受け取ってくれ」

名刺を渡された。最初に未来さんから見せてもらった名刺とそっくりだった。

「もっとこの世界のことを話したかったがあとは3課の人に聞いてくれ。では」


「は、はぁ~」

そして道案内のときに教えてもらった3課の部屋に入る。この職場はそれぞれの課によって部屋が決まっておりその課でシェアするらしい。なんと難易度が高い職場なのだ。最初しくじったら終わりじゃないか。


「失礼しま~す」

ゆっくりドアを開けて入ると、彼女が本を読んで座っていた。だがドアを完全に押し開けた瞬間糸のようなものが切れたような気がした。

げっ、嫌な予感。

咄嗟に後ろに下がるとそこには網のようなものが落ちる。


「あら、ごめんなさい。泥棒かと思ったわ。さ、入って」

彼女に促されるように入り、小さいテーブルに座り向かい側に彼女が座った。


「で、何の用かしら?」

ここまで来て気づかないのか?と名刺をだす。なお名刺は無限のようだ。


「そう、ここに配属されたのね」

そして彼女はため息をつき、席を立つ。後ろを向いて

「一人でいいのに」

と微かに聞こえた。気まずいな~

 そんなことを思っているとドアから女性が入ってくる。


「おお、新人君はここ配属されたのか~」

「どうも、未来さん」

その顔はここにきて1番長い時間見ただろう。


「お、名前覚えてくれたかぁ、うれしいね」

と名前を憶えていたぐらいでまんざらでもないような顔をしている。


「今回はどうするの?また飲みにきたんでしょ?」

彼女は呆れて冷蔵庫に向かう。その間に未来さんが俺の隣に座った。


「彼女、咲野さくやは難しい性格だから気を付けてね」

耳元でささやいてきた。

まぁ、自己紹介したときにそんなことだろうとは思っていた。前に何回か会っているし。


「聞こえてるわよ。変なこと教えないでよ」

咲野さんは少し怒っている。それは俺が来たからなのか、それとも未来さんに起こっているのか。それとも違うことで怒っているのか。


「一応言っときますけど。僕はあなたの過去を知っていますよ」

それは賭けだった。どうせ隠し通せるはずもなく、それが原因なら早く解決したかった。

 その言葉がトリガーとなり、缶ビールを手から落とす。そして俺を見る目は怒りと悲しみ、そして殺意が混ざっていた。

未来さんはこの場の空気になにをすればいいのかわからず固まってしまっている。


「あなたもあいつらのように私を軽蔑するの?私を蔑むために、話題をつかむためにここにきたの?」

だんだん目から光が消えてゆくのがうかがえる。そしてゆっくりと、ゆっくりと近づいてくる。



「自分はそんなことどうでもいいと思っています」

彼女が一旦止まる。「なぜ?」そう聞き返してきた。


「ここにいるということは死んだということでしょう?ならなぜ過去に邪魔されなければならないのか。もしも体が目当てならここにきたらリセットされるでしょうに」

我ながら言った。と思ったが、最後のところで未来さんから訂正が入った。


「それは違うわ。体は死んだときとほぼ同じ体。衰弱や、切断などは普通の状態にもどるけど」


まじかよ・・・・

俺は自分の体をみると傷が残っているのがみえた。

最悪だ・・・・



「そうですか。仕方ないです。自分の過去のことを少し話しましょう」

流石にあの言葉だけじゃ彼女の解決は難しく話すしかなかった。


「僕は、殺人事件に巻き込まれました。その事件で死んだ人数は自分含めて6人・・・。家族6人全員殺されました。犯人は、親友の父親。驚きましたよ、だれも疑わなかった。そしてその殺人は恨みや、復讐とかなのではなく、快楽・・・快楽殺人でした」


あらかた説明すると二人は嫌なことをきいたと頭を下に下げている。だが自分の殺され方が咲野さんよりも重かったとは思っていない。なにせ俺は一日彼女はおそらく数年だろうから。



「はぁ~、飲む気がなくなったわ。じゃーね」

未来さんは早々に退室した。そしてまた二人だけになった。


「私は寝るわ。場所は適当に布団敷いて寝なさい」

咲野さんは布団をしいてすぐにくるまって自分と反対側のほうを向いて寝ていた。気が利くのか俺の分も用意してくれていた。さすがに近すぎると起きた時に何か言われそうなので少し距離を置いて寝ることにした。



「う~うぅ~」

うるさい!

寝言なのか泣き声なのかはたまたどっちもなのか。




AM:5:00


 朝起きると咲野さんはぐっすりと眠っていた。

早起きしたのはいいもののこの世界では朝飯は食べるのかなどさっぱり常識がわからない。一緒であれば楽なのだが。


________ん?


机の上をみると一通の手紙が置いてあった。それの差出人をみると管理長からそしてあて先は俺だった。

こんな手を込むことをしなくていいと思うが


そして俺は2度目の管理長室訪問となった。


「ちゃんとメモはみてくれたようね」

俺は首を縦に振る。


「結構説明不足だったけど。重要なところを忘れていたわね」

管理長はジュースを俺に差し出し、話を進める。


「まずは、生活はあまり変わらないと思ってもいい。朝起きて、朝飯を食べて、仕事、昼飯、仕事、夕飯、お風呂、就寝。もちろん休みもある。休みは好きにしていいさ。ま、仕事の時間はそれぞれ違うから、咲野にも聞くといい」


一旦説明し終えるとイチゴ牛乳をチューチュー吸う。


「何か質問は?」

幾つか質問があったので聞いてみる。


「私の課が3ってことは最低2つはあることになりますが、その2つとは協力しないのですか?」

その質問に管理長は答える。


「協力するときはあるけど、時々かな。この世界は広いからね。」

「広い?どのくらい広いのですか?

「広さは地球の4倍はあるわよ」

その大きさに俺は驚く。

「4倍!?」

俺の反応をみて管理長は笑った。

「ははは、やっぱりこれの反応は面白いわね。まぁ、とにかく4倍だから協力するにも遠いから無理なのよ。」

流石にそんな大きさなら事件もたくさん起こりそうだ。


「それと3課までだよこの科は。人数不足でね。ほとんどが受付を担当してもらっている」

確か3秒で1人死ぬんだっけ。それなら受付が増えるのにも納得がいく。


「今回はこんな感じかな。次呼ぶときはなにかしでかしたか重要な案件の時だ。せいぜい前者にならないことを祈るよ」


管理長は手を振って俺を送る。


______入社一日目ってこんな感じなのか。


序盤はこの世界の説明です。3話くらいから事件を解決していこうと思います。

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