表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/100

俺 11

 俺は、余程親しい人ではない限り呼びかけられない。

 そんな訳で、実の所甥や姪の名前を呼んだ事がない。

 それなのに、どうやって会話をしているのかと言うと、真正面から目を見て喋るだけ。

 更に言うと、親父の再婚相手の名前も呼んだ事がない。

 どうやって会話をしているのかと言うと「あの」とか「すいません」だ。

 更に更に言うと、1代目の名前も呼んだ事がない。

 どうやって会話をしているのか、それは勿論「1代目」である。

 慣れるまでは呼びかける事も出来ず、徐々に「あの」と呼びかけられるようになり、そしてあだ名。

 結局、慣れ親しんだ所で、ちゃんと名前を呼ぶ事は出来ないのである。

 本名を知らない訳ではない。

 どう呼んで良いのかが分からずに声が出ないのだ。

 それなのに、俺は何処であろうとも堂々と「1代目」「毛むくじゃら」と呼ぶ。

 きっと「本名を呼ぶ方が恥ずかしくないだろ」と思われているに違いない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ