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俺 5

 いつもとは違う道を通って、ドラックストアに行ってみた。

 道を変えた理由は、工事中だったからなのだが、そのせいで俺は少しばかり気まずい光景を目撃する事になっていた。

 元バイト先の定食屋が、リニューアルオープンしていたのだ。

 外装は綺麗になっているものの大きな変化はないように見える。

 しいて言うならば、食品サンプルが一新していて、定食のセットがシンプルになっている位。

 パートの面々はまたここで働き始めたのだろうか?

 高校生バイトは?

 3代目千手観音は?

 脳内に蘇る2代目千手観音として働いていた日々。

 千手観音と言う称号は、セット係りの事である。

 通り過ぎた定食屋に引き返す気にはなれなかったので、そのままドラックストアに向かったのだが、どうしてもパートの面々がいるのかどうかが気になった。

 確認しなければならない理由がある。そして、もしパートの面々がまだあの定食屋で働いているのなら、1度は店に入らなければならない。

 気まずいし、店長の顔は見たくないんだけど、それでも!

 ドラックストアで買い物を済ませ、俺はまた定食屋の前を歩く。

 出来るだけゆっくり、怪しさも気にせずに中腰になりながら。

 店の中に知っている顔が確認できた。店長ではないし、チーフでもなくて、それはパートのオバサン。

 大急ぎで家に帰った俺は、自室に篭って1人酒をあおる。

 味わう事すらせずに1杯、2杯とグイグイ飲む。途中でお茶を挟み、お湯で割ったりしながら必死に酒を飲む。

 それでも、まだ全然なのだ。

 全然減らないのだ。

 去年、パートの面々から貰った梅酒の数々。その瓶の返却に行きたいのに!

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