トリオ 7
突然、1代目がニコニコとしながら、
「好きな人の条件を3つお答えくださ~い」
と言ってきた。
顔を見合わせる俺と毛むくじゃら。
例えば性格が良いとか、と説明を始める1代目だが、質問の意味は分かっている。分からないのはそれを聞いて何がしたいのだろうか?と言う所だ。
「ボン、キュッ、ボーン」
毛むくじゃらがサラッと答えると、1代目は不満そうな顔をしつつも俺を見てくる。無言だが、ちゃんとした答えを言えと言われているようだ。
「元気良くて、楽しくてー……あ、ストーカーじゃない子ですね」
結構真面目に答えた。
すると、
「同じ条件でAさんとBさんがいます。貴方はAさんを選んで付き合いました。AさんとBさんでは何が違ったのでしょうか」
何なんだろう、この質問。
なぞなぞなのか、それとも心理テストなのか。それよりも、さっき真剣に答え過ぎて今更恥ずかしいんですけど。
まぁ、ボン、キュッ、ボーンよりはマシか……。
一緒にいて楽しいと言うのは理想的だと思うからさっきの3つになった訳で、それ以外に何かあるとするなら、趣味が同じとか、好みが似ているとか、そう言う事になるだろう。
「肉が好きだったから。です」
俺が答えてから少し、毛むくじゃらは大分悩んだらしく、多少首を傾げたまま、
「身内じゃなかったから…かなぁ」
と答えた。
こうして1代目は散々1人でニヤニヤした後、
「その4つ目の条件が、本当に大事に思っている条件なんですって」
と答えを言った。
そうか、俺はなんだかんだ言いながらも肉が好きな子が良いのか……そして毛むくじゃらは……。
「おまっ!身内ちゃうかったら誰でもえぇんかい!」
「ちゃうわ!ボンの後のキュッが1番じゃ!」
「それはそれでどーなん!?」
やけに盛り上がってしまった。