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1代目 2

 濃いコーヒーを飲んだ後から頭が痛くなっていた。

 目の奥と右の側頭葉が重く、キンキンと痛む感じは片頭痛。

 片頭痛にはコーヒーが効くと言うのに、コーヒーを飲んだ直後から痛みに襲われるとは。だったらもう1杯コーヒーを?

 いや、頭を冷やして少し眠ろう。

 こうして少し昼寝を、のつもりで眠ったのだが、起きると7時を過ぎていた。

 ダイニングでは既に親父達の夕食が始まっていたので、慌てて外泊準備に取り掛かる。とは言っても着替えてタオルや歯ブラシを鞄に詰めるだけなのだが。

 慌しく準備を整えて自転車に跨り、毛むくじゃらと1代目の住むマンションに向かう。

 ピンポーン♪

 はいはいと言いながらドアを開けてくれたのは1代目。俺はお邪魔しますと言いながらズカズカとリビングに上がり込むとソファーの上に寝転がった。

 「少し、寝かせてください……」

 寒さのせいなのか、受け続けた自転車の振動のせいか、片頭痛のレベルが上がっていたのだ。

 「え?寝るんですか?」

 あぁ、しまった。

 「今日は本当に眠りたいので」

 もう1度ハッキリと眠りたい事を告げるが、1代目はズズイっと近付いてくると、

 「スピーディー笑わしで良いですよ!」

 とかなんとか意味不明な事を言ってくる。

 要するに、笑わさない事には寝かせてもらえないのだ。例え無視して寝ようとしてもパシパシ叩かれて地味に痛い。

 1代目はスグに笑うのでハードルはかなり低いが、こんな時に面白い事が浮かんでくる訳がない。

 それでも叩かれ続けるのは体力がいるので何かは言わなければならない。

 こうして、1代目よりも先に眠る時は笑わせなければならない、と言うルールが出来上がってしまったのだった。

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