新しい家族
すみません。今けっこう忙しくて久しぶりの投稿になりました。
ゆっくりした日に今までの分を書くつもりなのでもし楽しみにしてるみなさん待たせてしまうけどこれからもよろしくお願いします!
「ちょっと待って!彩音、どういうことだい?」
信二があわてて聞いていた。それもそのはずだ。いきなりさっき助けた子を自分達の子供にすると言われたらそりゃそうなるだろう。
「いやさー警察署とか行って捜索願いとか行方不明者リストとかあたってもさ、その子見つかんないわけよ。名前もわかんないからつまりは戸籍がないってこと、だからさ私達の子供になれば戸籍もできるしてか作らせるし、その子もこれから生きていきやすくなるから一石二鳥でしょ!」
むちゃくちゃだ!ヴァイスは思った。話の中身はあまり理解できなかったがさすがに見ず知らずの子を急に自分達の子供にするのがすぐにできるはずがない!それに自分は異世界人だ。無理な話だろう。ましてや夫であるこの男が許すはずがない!と思ってたが
「彩音がそう決めたならそうするか。この子のこれからのことも考えるとその方がいいしね。けど最終的に決めるのはこの子だからね!」
「分かってるわよ!ってことで話聞いていたと思うけどよくわかんないと思う!だから簡単にいうと私達の家族にならない?ってこと!」
「ちょ…ちょっと待ってよ!いきなり家族とか言われても意味わかんないし!僕は今日あったばかりの他人だよ?何でそうなるの!わかんないよ!急に家族になるとかならないとか、信じられないよ!子供が欲しいなら自分達の血の繋がった子供がいいだろ!どうして?」
「いきなり家族になるとか言われても戸惑うよね……」
彩音はさっきの明るい顔とはうってかわって暗い表情で話始めた。
「君が今ここにいるのは君を産んでくれた両親がいるはずだよ。
けど私は聞かないよ。何で君があんなボロボロであの場所にいたのか、何で君が名前を言わないのか、何で君の捜索願いがなく戸籍がない状態なのか、そんなことは私は気にしない。私が貴方を家族にしたいって言ったのはね、貴女が寂しそうな顔をしてたから、孤独に震えていたから、だから私は貴方を独りにさせないと思った。」
彩音はそう言うと目を一旦伏せそしてはっきりとヴァイスを見つめて言った。
「私も独りの寂しさを知ってる。だからほっとけないのよ。寂しそうな顔してる貴方を!それに君は私に血の繋がった子供がいいと言ったね?けど無理なの、私は子供を産むことができないの……
だから私達には子供はいないの、それは私達にとって辛いことだった。だから私達は養子と言ってもわかんないか、簡単にいうと家族を探してたの。そんな時に貴方に会えた。寂しそうな貴方に。だから貴方がよかったら私達の家族になりませんか?」
そう言った彩音の顔はとても綺麗で優しくて温かかった。だからヴァイスはこの人達を信じようと思った。
ヴァイスも寂しかったんだろう、家族の愛に飢えてたのもあるだろう。
だからヴァイスは……
「よろしくお願いします…………。」
と泣きながら呟いた。