表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/639

第6章  政変…のはずですが(13)

 僕はたすきをたもとから出した。そして女の子を抱き上げる。


「しっかり掴まっていて」


 そう言って、女の子の手を自分の首に回させると、たすきで女子の身体を自分に結びつけた。逆おんぶの発想だ。


 そして片手で女の子を抱き上げたまま、枝をつかんで、もう片方の手で身体を持ち上げる。


 まるでサルの親子だね。こりゃ。


 あとは楽だった。木から木へ登っていけばいい。


 ほぼ天辺まで来たところで、比較的太そうな枝に腰掛けて、女の子を自分の膝に乗せるように座りなおした。向こうが見えるように。でも落ちないように片腕は回したまま。


 我ながら器用だね。


「うわ~。すごいっ!」


「しっ! 見つかっちゃうよ」


「あっ」


 女の子は慌てて、自分の口を両手でふさぐ。


 危ないなぁ。もう。


僕が手を離すことなんて考えてないみたいだ。


 眼下に広がる光景は、この時代の人間ではなかなか見ることのない風景だろう。



 遠くの山や家や、お寺が小さく見えている。そして目の端に入る二条城。京の街はなんとなく落ち着かず、いつもよりも人が多く見えるのは、やはり何かが起きているのだろう。


「あ、みんながいるよ!」


 女の子が小声で言ったとたんに、彩乃がこちらを見た。今の声が聞こえたね。


 見下ろすと、どうやら僕らが最後らしい。みんな集まって僕らを探しているみたいだった。


 彩乃が僕をじっと見てる。


 うーん。降りてこいってことだよね~。


「降りるよ」


「え~。まだ見つかってないよ」


「見つかったちゃったみたいだよ」


 え? って女の子が言って下を見る。


 下ではちょうどみんながこちらを見上げて指を差しているところだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ