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第3章  残響(5)

 数日ぶりに家に帰ったら…皆が大激怒だった。


 あ~。何で?


 リビングでソファに座らされて、ぐるりと囲まれる。彩乃に総司。デイヴィッドにジャックにメアリ、土方さん。そこまでは分かるとしても、海さんに小夜さんまで来ていて、李亮も隅っこにいた。


 レイラは僕の隣に座る。あの話が無かったように普通にしているのは、彼女なりの矜持というものだろうか。


 そして徹底的に皆に怒られた。みんな心配だったらしくて…その心配が伝わってきて…僕は黙って怒られていた。いや、まあ、凄いこと。凄いこと。みんな言いたい放題。それでも確かに僕が悪かったよ。うん。まあ、そういうことにしておこう。


 みんなに黙っていようとしたし、体調が悪かったのを隠した。それは認める。その上で運転して雲隠れ。まるでみんなを信用していないみたいだって言われたら、返す言葉もない。


 そう思ってじっとみんなが今回の件について文句を言うのを聞いていたら、総司が大げさにため息をついた。


「反省していませんね」


 皆からのお小言に対する反応のせいだろうか。皆に怒られるのも悪くないなぁって思って聞いていたのが、バレちゃったかなぁ。


「えっと…反省してる」


 じろりと皆が睨んでくる。まずい。なんか笑っちゃいそうだ。だって、こんな風に怒られたことなんて久しくないし。みんなが僕を心配してくれているんだなっていうのがよく分かるし。


 あ、ダメだ。にやけてしまった。


「俊っ!」


 僕は両手を上げた。


「降参。ごめん。本当に心配かけてごめん。なんかみんなが心配してくれたのが嬉しくて」


 そう言ったとたんに、皆が呆れた顔になる。


「いや、本当に。だから…ごめん」


 ああ。どうしたらいいんだろう。なんか収拾がつかないよ。僕は思わず頭を下げた。


「ありがとう」


 台詞が間違っている気はする。ここはきっとごめんなさいなんだろう。でも僕の気持ちは感謝だったから、そのまま告げた。顔を上げれば、皆が呆れつつも暖かい目をして見ていた。


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