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第4章  お留守番(6)

 見るとばらばらと浪士が出てくるところだった。またかい。しかも人手が少ないときに限って…。


 左之もそう思ったらしく、離れたところにいたのに盛大なため息が聞こえたかと思ったら、いきなり言う。


「面倒だ。斬っちまえ」


 おいおい。


 横でしゅるりと音がしたと思ったら彩乃が刀を抜いたところだった。思わず眉をひそめるが、止めるわけにもいかない。


 最近思ったんだけどさ、あんまり彩乃には人を傷つけて欲しくないなって。もちろん殺しても欲しくない。僕が言うのはなんだけどさ。


 一応、あの日以来、できるだけお腹は一杯にして、こんなことになったときに自分を失わなくてもいいようにはしていたので、吸血衝動は起きないと思うけど。


 早太郎くんもやる気満々で刀を抜いている。人懐っこい笑顔とは裏腹に、真面目に構えている姿は武士って感じだ。気迫が違う。


 とか見ていたら、一人が突っ込んできた。


 早太郎くんが相手になろうと踏み込んだ。ちらりと見ると、左之も剣で対応してる。なんだかんだ言いながら、実は意外に左之も刀を使えるんだよね。左之のような色男が真面目な顔をして剣を構えているのは、絵になるね~。


「おにいちゃん!」


 よそ見をしているうちに、剣が突っ込んでくる。とりあえず僕が剣を抜いてないんで、弱いと見たのか、がむしゃらに突っ込んできた感じだ。


 彩乃が応戦しようとしたのを目で制して、突っ込んできた相手の剣を捌いて手首を掴んで転ばせる。


 ごめんね~って思いながら、鳩尾に一撃を加えて昏倒させた。殺さないだけいいでしょ。


 顔をあげると彩乃が相手の剣を受けているところだった。力を加減しているために、相手と拮抗している状態になっている。まさか相手も彩乃が手加減してるなんて思ってないだろうな~。必死の形相で刀を押さえつけてるよ。


 軽くステップを踏んで跳ねると、そのまんま相手の顔にハイキックをかます。


「おにいちゃん! 酷いよっ!」


 妹を守って文句言われる僕って(涙)


 相手は面食らったのと、僕の力が強かったのとで、数メートル吹っ飛ばされた。まあ、彩乃にやらせたくないから、手…いや、足を出したんだけどね。


 でもすぐに彩乃のところにまた襲ってくるやつが出る。彩乃は小さいから狙いやすいと思うんだよね~。


 そいつも吹っ飛ばそうとしたら、またしても刀が鍔競り合いの状態で拮抗した彩乃が僕を睨みつけてきた。手を出すなっていうことだろう。


 僕は肩をすくめた。その瞬間に僕に向かって飛び掛ってきたやつを、ついでに腰で投げて、気絶させる。


「殺すなよ」


「わかってるよ!」


 そう返事して、彩乃は相手の刀を押し返して、そのまんま自分の刀をくるりとひっくり返すと、柄で喉を突く。


 相手の男がうめいた。痛そう…。手加減してると思うけど、数日間は食事できないんじゃ…。


 そして次の瞬間に彩乃は、隙ができた相手の股間を蹴り上げたのだった。


「うっ」


 相手がうずくまって、そのまま悶絶する。あ~。痛い。あれは痛いよ。っていうか、僕より酷いじゃん。彩乃。


「昔、お兄ちゃんが教えてくれた痴漢撃退法♪」


 僕ですか。僕が元凶ですか。ごめん。


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