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第3章  七歳にして男女席を…同席?!(3)


 そして…総司も少しは現代になれ始めた数日後。彩乃の入学式だ。朝からは彩乃は洋服選びで大変なことになっていた。


「これ、どっちがいいと思う?」


 春っぽいピンクのフレアスカートスーツと、水色のシンプルでストレートタイプのワンピース。身体の前に当てて、リビングでコーヒーを飲んでいた僕と総司に聞いてくる。


「それ…そのまま着るんですか?」


 総司が顔をしかめた。


「足が見えてしまいます」


 あ~。そう言えば、こっちに戻ってきてから彩乃はジーンズかパンツ姿でスカートをはいてなかった。


「このぐらい足を出すのは普通だよ」


「えっ。そんな。はしたないじゃないですか」


「大丈夫だよ。逆にこのぐらい出すのは当たり前なの。出さないと野暮なんだよ」


 僕が言っても総司は顔をしかめたままだ。彩乃がおろおろする。


「…パンツスーツは持ってないし…どうしよう…」


 僕は肩をすくめた。仕方ない。総司は無視しよう。


「彩乃。ピンク。そっちのほうがまだスカートの丈が長いから。それにフォーマルな感じでいいんじゃないかな」


 彩乃がほっとしたように頷く。


「え~。足を出すんですかっ」


「出す」


 僕は彩乃の代わりに返事をした。やれやれ。


 着替えてきた彩乃は、春っぽいスーツが良く似合っていた。久しぶりに足も見たけど、ふくらはぎの形が良くて、綺麗な足をしてるんだよね。総司はちらりと見て、赤くなって、それから目をそらした。別にそれぐらい見ればいいのに。


 夏になって女性が肌を露出し始めたら、どうするんだ? ま、いっか。その時のお楽しみだ。


 そして総司も行くと言い張るので、スーツを着せて、みんなで車に乗り込んだ。


 さすがに無理やり毎日車に乗せていただけあって、ここ二、三日は青い顔をすることはあっても、吐くまではいかず、総司のために車を止めることも無くなった。


 きっと一ヶ月も経てば楽に乗れるようになるだろう。


 バックミラーで見れば、総司が見て見ぬフリをしながら、彩乃に視線をやっては見とれているのが見えて、僕は笑いを堪えるのに必死だった。恋仲なんだから堂々と見ればいいと思うんだけど、それはどうやら総司的にNGらしい。


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