第2章 現代探訪(12)
帰りも酔う総司に合わせて止まったり、走ったりを繰り返しながら、漸く家に着く。僕は二人と荷物を下ろして、もう一回車に戻った。
二人を連れていくと面倒だから、僕は一人で追加の買い物に出ることにしたわけだ。まずは水。水道水はあのカルキの匂いが気になって飲めないと思う。
次に耳栓。昨日は疲れていただろうけど、慣れるまでは自動車の音とか気になると思うしね。
それから木刀。本物の刀を振り回させるわけにはいかないけど、やっぱり何かしたいだろうから…できるだけ重い奴。それと胴衣…か。
あとは何だろう?
うーん。僕自身は最初から吸血鬼だから、あまり途中からなった場合に何が必要か、よくわからないし、過去から現代に来たら何が必要か…なんて皆目見当がつかない。
ま、いいや。適当に総司が喜びそうなものを買っていこう(笑)
買い物を終えて大荷物を抱えてリビングに戻れば、ソファで彩乃と総司が仲良く肩を寄せ合って眠っていた。疲れちゃったんだな。
仕方なく僕はそれぞれを抱えてベッドに運んだ。総司には僕のベッドを貸してあげよう。早く物置になってる客間を片付けないとな…。今晩やるか…。
荷物を片付けて、僕は一度伸びをすると、客間に向かって歩きだした。




