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間章  布陣の形式

--------土方視点-----------


 銭取橋の西側へ布陣するというので、俺たちは河原へとやってきていた。


 ふっと見れば、本家本元会津藩の武士が集まったところで、人だかりができている。布のようなものを持って右往左往しているのを見ていれば、ポンと俺の肩を叩いてくるものがあった。


 振り返ればかっちゃんだ。俺が見ている方向を見て、困ったような顔をした。


「どうやら布陣の方法が分からないらしい」


「ああん? どういうこった」


 聞けばこれだけでの布陣をするのは、天下泰平の江戸始まって以来ということらしく、陣の敷き方一つとっても知っているものがいないらしい。祝言や葬式にだって取り決めってものがある。野外での正式な布陣ともなれば、これまた決まりごとが山のようにありそうだ。


「大変だな」


「他人事だねぇ」


 かっちゃんが呆れたようにいう口調で嫌な予感がする。


「まさかうちもやんのか? っていうか、そんな装備、持ってきてねぇぞ」


「まあ、借りる形にはなるだろうね。うちも会津藩の一部隊だから、まさか陣を敷けないなんていうのは恥ずかしくていえないだろう?」


「おいっ」


「トシ、頼んだよ」


 かっちゃんは俺に丸投げして去っていく。確かにこういうのは武将のやることじゃねぇっていうのは分かるけどよ。丸投げしすぎだろうよ。


「仕方ねぇ」


 俺は傍にいた若いのを数人つれて、陣の敷き方を教えてもらうのと、資材を借りるために右往左往している人々の中へと入っていった。


関が原の合戦のころまでは伝わっていた色々な戦場での儀式が、幕末のころは忘れ去られていて、いざ出陣っていうときになって現場が慌てるっていうこともあったみたいです。近代戦だと考えられない状況ですよね。

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