第13章 内緒のクリスマス(8)
【クリスマスのおまけ】
「うわっ。彩乃さん?!」
翌朝、僕は総司の驚く声で目が覚めた。
なんだろうと思って、もそもそと起きて総司の声がしたほうを見ると、総司が布団の中で固まっている。
総司の腕の中にいるのは、身体を丸めて寒そうに総司にくっついている彩乃。
あ~。夜中に僕と間違えて、もぐりこんだな。
「昨日は寒かったからねぇ」
僕がそういうと、総司が慌て始める。
「いや、私はそんな。何も…いえ、多分」
「分かってるよ。彩乃が間違ってもぐりこんだんでしょ」
「あ、はい。多分。私も温かかったんで…いや。でも」
頭の上でこんなやり取りをしてるのに、寝ていられる彩乃。よっぽど総司に気を許してるんだな。
「まあ、良かったら、そのまんましておいてあげてよ」
僕はあくびをすると、もう一度蒲団にもぐる。
「え? 俊?」
「彩乃が起きるまでの間、湯たんぽになってあげて」
そう言うと、向こうで唸る音がする。まあ、困るよね。色々と。分かるけどさ。僕、なんか今日は眠いし。朝から総司が何かすると思えないし。彩乃だし。ま、いいや。
次に目が覚めたときに聞こえたのは「え? え? え~?!」という彩乃の声だった。




