闇の声
『どうしたのー?』
地上を照らす太陽がサンサンと降り注ぎ、気持ちの良い風が草木を吹き抜ける
ここは陽射しが入る、明るい森の中
『?ねぇ、大丈夫?』
ふと呼ばれていることに気づいた黒白の服の金髪リボンのルーミアという少女は、見上げていた木から顔を向けた
『?』
『次はかくれんぼだってチルノちゃん言ってたよ?隠れもしないでなにしてるの?』
そう青色の服の緑髪の少女、大妖精(愛称:大ちゃん)は疑問を投げかけた
ルーミアは大きな木を指差した
『?ただの木だよ?』
確かに大きな木ではあった、巨木と言った方がしっくりくるほどだ
しかしそれだけだ、なんの変哲もない巨木にルーミアは何故か魅入るように目を向けていた
ーー5...6...7...6...4...3...?あれ…?大ちゃーん…!10数得るのって大変なんだな!あたい気づいちゃった…!
少し遠くから子供の声が響いてきた
『チルノちゃんったら…とりあえず、チルノちゃんのところに行こ?』
大ちゃんが呆れ笑いな表情を浮かべながらルーミアに促すも、やはりルーミアはあの巨木をジッと見つめていた
『…先行くよ?待ってるからね!』
大ちゃんが先に羽を軽く動かしながら、チルノのもとへ飛び去った
チラッとルーミアの方を心配で見た大ちゃんは、相変わらず見つめているルーミアにどこか不気味さと不安がよぎった
これが、最初の予兆だった