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1節 着陸

波の音に反乱軍戦艦FUSO-mk2魔改造の浮上音が聞こえる。

FUSOの後ろには燦々と輝く太陽がある。


ここは無人星M7752である。


眩しいな……

やがてFUSOは去り波の音だけが木霊するビーチに

僕とソラは取り残された。


ソラがあたりを見回しながら歩いて行ってる。


とりあえず、小屋か何かでもあるのだろうと思いただ無言でついていく。

というか付いて行くしか出来ることが無いのから仕方ない。


「バタバタと物事が決まって何も話せなくてゴメン」

ソラがこの星に来てからの第一声で有った。


ゴメンと言われても、右も左も判らない状況でどう答えれば

良いか悩んでしまった。


畳み掛けるよにソラが状況説明をする

「ラティア本国での処遇が決まるまで、ここで2~3日野営を張ることになったんだ。」

そう話すソラからは何か楽しそうな雰囲気が漂ってきた。

それに、百科事典ほどの端末を開くと大きい荷物が多数でてくる、以前飲み物を取り出したところから察するに、ゲームのイベントリ。詰まる所重量無効カバンや青狸がもってる袋状の器官のようなものなんだろうと想像がついた。


しかし心配である。

なんせ僕は基本インドア派でキャンプとかやったことがないのだ。


「心配しなくて大丈夫!!野営は軍人の基本」

「任せといて!」

ソラは完璧やるき満々である。


「えぇ……まじっすか?僕キャンプとかやったこと無いんですが……」

つい内心が出てしまった。


「それに日用品とかは船から持ち出しているから」

気づいたら荷物はテントにポリタンク・缶詰や食料品様々なものが置いてある。

まぁなんの装備も無しってわけじゃないから安心か。


ソラは手際よくテントを組み立てていくそれを感心しながら横で見ているだけの

僕であった。


「さて後は火だ…… 亮!薪拾い行くよ」

薪拾いなら僕にも出来る。

乾燥した木材を拾えば良いだけだから簡単な作業だ。


ソラについて少し歩いたところに薪になりそうな気が落ちていた

普通に拾ってみたが手の中で砕け散った。


こんなに脆いわけないよなぁ……

手当たりしだいに何本か拾ってみるが同じである

この辺の木は朽ちているんじゃないか?

そんな疑問を抱いてるとソラは大きい漂流木を見つけた様で

指を指している。


「まぁこれだけあれば暫くは保つね」

ん?どいうゆうことだ?

「イカダでも作るんですか?」

そうとしか思えない

「いや燃料だよ!」

「無理でしょ」

どんな大きなかまどを作るんだと……

ソラとの野営がチョット不安担ってきた。

「良いから!任せといて!」

大木を軽々担ぐソラをみて呆然とするしかなかった。


「危ないからチョット離れて」

そう言うとソラは大木を砂浜に置き拳を大木に軽く当てた

その後、大きな音とともに木が木っ端微塵になった

「コイツバケモノかよ……」つい本音が漏れたが

ソラはそれを聴き逃しはしなかった。

「なんか言った?」ちょっと苛ついたようにこっち見てるソラに

ただただ恐怖心を覚えた。

「いやなんでもないっす。」ビビリのあまり自分でも変な言葉に

なってることに気が付かなかった。


しかしソラはソコまで怒って無いようで手際よく砕いた木をまとめて居た

一安心だ。


「後はかまどかぁ、石を拾いに行くよ」

手を払いながらそういうソラに付いて行くしかないようだ。

少し歩いたら岩場が有った。

「亮!大丈夫?」

一応ソラは僕のことを気にしてくれてる様でゆっくり進んでいった。


ちょっと大きい岩の所まで来たらソラは片手チョップで岩を岩と言えるかギリギリの

大きさの岩に変えていた。もうここまで来ると呆れるしかない。


目の前に岩と石ギリギリのサイズの岩を置くソラ

「チョットキャンプ付近まで運んでおいて」


まじかぁ……自慢じゃないが理系の僕は筋力には人一倍自信がない。

「気合を入れれば何とかなるかなぁ」そんなボヤキを一人力を込めて持ち上げる

すると、岩は勢い良く後方に飛んでいった。


「別に投げなくても良くない?」ソラはびっくりしたように話しかけてくる。

いや岩を片手で砕く人に言われたくはない。

「えぇ…持ち上げただけで」


いや待てよ、僕にはそんな力なんてないはず。

でも岩を投げたのは事実。

岩は40メートル程飛んでる。砲丸投げの世界記録が23メートルとチョット。

砲丸投げの球は7kgチョット

この岩は目算でも50kg 持ち上げるのがやっとの筈

人間の限界を遥かに越えてるあり得ない。


まてよ、もしかして、先日銃口を向けられた時バイクで跳ね飛ばされた

しかし無傷で普通に立っていた。


岸辺の木片がボロボロ崩れる。岩が飛ぶ。

これらの事象を考えると僕の体が変わってしまったんだ。


僕は何処まで変わってしまったんだろう。

ついうずくまってしまった。


そんな僕にソラは軽く話しかけてくる……

「あぁ……力加減か……なれるまでチョット時間がかかるかもんしれないな~」

「その辺の岩で練習してみたら?」


ソラが切り出したその辺の岩で試してみる。

これは空き缶ぐらいの重さだと自分に言い聞かせながら、

岩を持ち上げる。


上手く行った片手ですんなり岩が持ち上がる。


これは確定的に明らかだ

僕も……バケモノ……

もはや半泣きになるしかなかった。

普通の人間だと思っていた僕にはキツかった。


[ピピピ]という電子音とともに

[ユーザー認証アクセル部隊電子戦班長 天音宇宙少尉]

[電脳リンクを開始しました]

と音声が聞こえてきた。


どうやらソラは銃をいじってると様である。

ここで銃を取り出して何をするのだろう?


[モード変更・エキシマレーザー 分子蒸散排除(アブレーション)モードに設定

現状大気により損失が大きい為取り扱いに注意して下さい]

エキシマレーザー?名前からするに光学兵器の一種だろうなと想像がついた

その銃を先程並べた岩に向けてトリガーを引いた


ゴツゴツしてとてもじゃないけど金網を置くには適したとはいえない岩の

かまどの上部が蒸散して平らになる。

「亮……まぁ良いんじゃないおいで」

出来上がったかまどに網を載せてるソラに呼ばれた。


自分がバケモノと言うことはやはりすぐには飲み込めない

「ソラ……」

「僕達の力……まるでバケモノじゃなか……」


「確かに人間の身体能力から観れば私達バケモノかもね」

ちょっと考えた様な表情で言うソラ

しかし納得出来ない。

人間……


ラウラ先生に言われた一言を思い出した

「亮君もソラと同じく超古代地球を生きてきたのね」

そうだ、ソラも僕と同じ境遇のはず。


バケモノって思われてなんで平気なんだ?

ソラお前も人間だっただろ?

なんで軽々しく[バケモノかもね?]とか言えるの?


僕はソラの言葉に更に傷ついた。

自分は普通の人間であるという自尊心が削れていく。


[モード変更IRレーザー、光熱拡散モード1Kwに設定

大気・水分に拠る減衰に注意して下さい]

そんな電子音とともに薪が赤熱していく

光学兵器と言うよりもはや十徳ナイフならぬ十徳拳銃だな。


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