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6節 逃亡と宇宙

続きものなので前を参照

彼は僕に視線をむけ説明を始める「あれが、母艦まで行くための宇宙バイクさ」「ムンディーの輩にバレないように熱光学迷彩で隠しているんだよ」そのように説明をしながら彼は、どこからと無く何かを取り出した。ライター程の四角い棒状の物が二対あり手のひらに乗せると棒が広がり画面を形成する。恐らく携帯端末だろう。

挿絵(By みてみん)

携帯端末上にロック解除のホログラムが表示されるとともに、バイクが見えるように成った。先ほどバイクに乗って登場したと思った次の瞬間にはバイクが無くなっていたのはそう云う仕掛けだったのか……そのバイクには「バイク便のサイソク Powered By SMR」と記載されてる。僕は何となく彼に尋ねた。


「そんなに金ないよ、ウチだってココに来て3年ぐらいだし」彼は笑いながらそう答え続ける「まぁ、私達の組織は表向き多国籍企業って体裁だからね。ちょっと物流部門から提供(パクって)来たんだ」彼はそのように言いながらバイクに跨った。

「さぁ行くよ!後ろに乗りな」彼にそう言われて少しためらった。ノーヘルだし、宇宙に行くって割にはマフラーがゴツイだけのバイクだからだ。

挿絵(By みてみん)

そんなことを考えてると彼は急かす「まぁ乗れ」


後ろに乗るとハンドルの部分がよく見える。ハンドルは通常のバイクのハンドルでは無くどちらかと言うと飛行機のハンドルに近かった。そして中央には表示パネルがある。アイドリング音は静かで内燃機関があるようには聞こえない。彼は「シッカリ捕まってな」というとアクセルを煽る。モーターの様な独特なエンジンサウンドと共に加速する。


ちょっと走りだした所でアクセルを開きウイリーした。それと同時にマフラーと思っていたところが可動して地面の方向に向くそして稼働し轟音と共に飛び上がった。それは、マフラーと思ったが実はエンジンだったのだろう。恐らく地面を走る時はタイヤで走り、飛ぶ時はマフラー部分のエンジンを利用しているのだろう。しかし、エンジンはそれほど大きくなく推力だけで揚力を得てるとは考えにくい。恐らく反重力の類も働いてるのだろう。それに周りの景色の流れから飛行して既に音速の壁を越えようとするスピードにも関わらず風はそれほど無い。


ドームの割れ目から出て本当の空を仰いだ。この世界にはところどころに浮島があるようだ。これも科学の力なのだろうか?平成の世から来た僕には既に科学と魔法が区別出来ない域に発展している事が理解できた。


先ほどの音の正体だろう飛空艇を通り越した。飛空艇から弾丸が放たれるが、彼は簡単にヒラヒラとバイクを操りかわす。しかし、特段重力変化を感じない。恐らくこの機体には簡単な重力装置が点いているのだろう。敵飛空艇もこちらに向けて追ってきたがスピードが圧倒的に足りない。相手も宇宙バイクみたいな小回りの効く乗り物で来るとは思わなかったのだろう。それにしても敵飛空艇はそれなりに固そうな装甲を持ってる。小回り性能犠牲の防御振りの装備なんだろうなと思った。


高度もスピードも上がり空が黒くなってきた。恐らくかなりの高高度飛行をしているのだろう。地平線が丸みを帯びてきた。それと同時にスピードも上がりマッハ3を越したのだろうバイクの周りに出来たカプセル上の膜が空気の断熱圧縮で周辺が赤みを帯びてきた。しかし不思議と熱くなければ、息苦しさも感じない。やはり、このバイクの周りは見えない膜に保護されているのだ。そうでなければ宇宙服ナシで宇宙に出るなんて無理だ。


そして、高度は更に上がり完全に地表が球体に見える。そして人工衛星お思しきものも見えた。大気圏を離脱して宇宙に上がった事を実感した。その時合成音声が聞こえる「大気圏離脱ブースターからマターイオンエンジンに切り替えます」その音声とともにマフラー部分から青白い粒子が噴出されその粒子が波動で広がるようにバイクの後ろに円を描く今まであまり感じなかった重力変化を感じた。そしてみるみる今まで居た星が小さくなる。重力装置で打ち消せない程の加速度で加速しているのだろう。15分としないうちに180度ターンして今度はお尻を進行方向に向けている。すなわち逆噴射だろう。


30分ほど経過したした頃に人口音声のガイダンスが流れた。「母艦無線ネットワーク接続」そのガイダンスが流れた直後、コール音が流れ、視界に映像が映し出されたトカゲの様な顔の人で目を中心に頭の左半分が金属で覆われ左目はカメラのようだった。太い眉毛が特徴で非常にムキムキのオッサン。どこかで見たことがあると思ったらコモド・ドラゴンに似ている。映像の中のオッサンはこちらのことを気に留めずしゃべりだす。


「お前の行動で、星間情勢がどうなるかわかっているのか?」怒りを通り越して呆れながらオッサン彼を問い詰めている。手を眉間に当て困ったように「直ぐ帰還し艦長室まで来い」と言い終え通信を切った。


しばらくすると船が現れた。箱型の船に脚のようなハッチが4個ある。戦艦というよりはトラックのような外見だった。ところどころに後付で付けたようなアンバランス武装が目を引いた。

挿絵(By みてみん)

船に近づくと左上のハッチを開いたそのハッチの中にはポニーテールの彼と同じ服にヘルメットを被った人が居たそして、ハッチからホログラムの様に誘導線が表示される。


「ウチがいいと言うまで降りないでね」と言いながら、また180度回転して進行方向にバイクの頭を向けると吸い込まれるようにハッチのなかに入った。


ハッチが締まり、シュゥウウウと言う音が鳴り響く。しばらくしてアナウンスが流れる「与圧完了。真空装備解除」ガイダンスとともに彼が降りる。そして彼は「もう、降りていいよ。私についてきて」とかなり不機嫌そうに声を掛ける。


彼がかなり不機嫌そうなので心配になった。助けてくれたのに僕が初対面でお前とか呼んだからそれが後になってキテているのかな?とりあえず謝った方がいいのかな?

「あっ」

「あのぉ……さっきは取り乱してすみませんでした……」

ちょっと謝るのに抵抗が合ったのかスムーズに言い出せなかったが伝わったかな……

僕がそんなことを考えていると、彼は頭を抱えながら答えた。


「あぁ別に怒っては居ないよ。ちょっと困ったことに成ってね。むしろ謝るのは私かもしれない」


「君に……」少し間を置いた。

「あっ自己紹介もまだだったね。私の名前は、天音(あまね) 宇宙(そら)皆はソラって呼んでる」僕が呼び方で困ってることを察してくれた。呼び方に困ってるのは僕だけじゃない彼もだ……まだ僕も名乗ってなかった事に気がついた。


「あっ……僕は嘉手納(かでな) (りょう)

そういえば友達付き合いもあんまり無い僕は人に名前を呼ばれる機会なんてあんまり無い。どっちかというとモンスターハンターフロンティアで天龍(てんりゅう) 壮一郎(そういちろう)と名乗ってるからネット関係の友達からは天龍さんって呼ばれてる……しかし、ココでコテハンを名乗ってもなんか恥ずかしいしやめとくか……普通に親とかに呼ばれている呼び方で行こう。

「亮って呼ばれてるよ」


そして、"彼が困った事に…"と言っていた事を思い出した。「困ったことって何?僕が何かしたの……か? 」心当たりが有るも無いも数時間前の記憶がハッキリしない僕にはわからない。覚えていない内に何かやらかしたのかと少し心配になる


しかし、直ぐにその心配無くなった「いや、亮くんはなにもしていないよ、どちらかと言うと私が原因だし……」と彼は頭を抱えながら語る


「今から行く所は艦長室」

「君にはその後、チョット寝てもらうことになるね」


艦長室に行ってその後寝てもらうって、キ印かなんかの如く、麻酔かなんかされてベッド縛られる自分自身の姿を想像してしまった。

「"寝てもらう"ってどう云うことですか! 」


そんな言い返しも相手にされず、彼に「大佐に報告があるからココで待って」とさらりっと流さてしまった。


彼は壁の端末に手のひらをかざす。すると端末が光り肉球の凹凸から光が漏れて見えた上から下に向かいサッとスキャンすると内部と通信が繋がったようだ。

ココが艦長室なのだろう。

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