落下、落下、落下
俺は落ちていた。
そうはいってもただ落ちるだけではなく上にあがっては落ちるを繰り返していた。
俺は、テレポーターである。
数分前、学校の屋上の縁に立ち格好つけていたら強風にあおられてそこから落ちてしまったのだ。テレポートをし屋上に戻れれば万事解決だったのだがテレポートをした所で落下エネルギーはなくなるわけではない。つまり、屋上にテレポートをした所で屋上から地面に衝突するのと変わりはないのだ。
どうしたものかと考えながら上へ上へとテレポートを繰り返しているうちに俺の落下スピードはとんでもないことになっていた。体が軋んでいるぐらいだ。
いつ死ぬかもわからない緊張感から疲労も並大抵のものではない。ただでさえ、テレポートには体力を使うのだ。今の体の状態ではいつテレポートが使えなくなるか分からない。
そこで俺はある策を思いついた。しかし、それは成功するかも分からない賭けであった。
「やるしかねえか!」
意を決してその賭けを実行に移す。大きく息を吸い、テレポートを行った。
目の前に広がっていた空の青が水のものに変わる。目が海水によって痛んだ。
俺は海中にテレポートしたのだ。こうすることで体が水面に叩きつけられることもない。
しかも、テレポート先はマリアナ海溝であった。これならかなりのスピードがあっても底まで届くことはまずないだろう。
俺の予想通り体は底にぶつかることもなく止まった。賭けは成功したのだ。
俺は取りあえず海上にでるために浮上する。
海中から出ると青空が広がっていた。周りを見ても特に何も見えない。
俺は生きていることを確信し、一気に緊張感が解けた。安堵のため息を吐く。
「さて、帰るか……」
目を瞑りテレポートを行った。しかし、俺の体は今だ海水に浸かっている。
何度もテレポートを試みるが戻ることはできない。
「おいおい、嘘だろ……」
どうやら疲労によってテレポートができなくなってしまったようだ。
ある程度回復すれば再びテレポートをすることは可能ではある。
しかし、泳ぎながら体力の回復などできる筈もない。
俺は泳いで日本に帰る覚悟を決めた。
お読みいただきありがとうございます。
テレポートを題材に何か書きたいと思い書きました。
よく漫画とかで見るテレポーターって何であんなに行きたい所にピタリといけるんですかね?
僕がテレポートをできるようになってもあんなにうまくは行きそうにありません。




