Air:1 ゲーム機
ファンタジー色を濃くした小説です。しかし、編集者曰く教科書通りの家で収まってしまうと思われるので、すぐに息切れが来るかもしれません。
はぁ…。もうこんな世の中にはうんざりだ。どこに行っても状況の変わらない僕。僕はこれまでに幾度となく転校を経験している、今ならどこにでもいそうな中学生。名前はテラと言う。
(いっそゲームの世界にでも行きたいなぁ…。)
そう思った。今までこう思ったことがないわけではない。思ってもできないというのが世の中の常である。
僕には皆みたいな居場所がない。それがこう思う最大の理由。だからと言って、特定のゲームにはまっているわけではない。
(んっ!?)
ふと僕が進む道路の上に何かが落ちているのが見えた。なんだろうと思って近寄ってみた。帰るついでに。近くで見るとそれがゲーム機だというのが分かった。いくらゲームをしていないからと言ってもこれぐらいは分かる。DSGだ。折り畳まれているそれを手に取った。まだ一度も使われた形跡がないことが分かる。ゲームソフトは入っていないみたいだ。それにこれを最初に開けたときに画面についているセロファンが付きっぱないしなっているし、セロファンにはホコリ一つついていない。
(ホコリぐらいカバンの中に入れなくてもつくよなぁ…。)
僕はそう思うと周りを見回した。幸い僕以外周りに人間はいない。僕は中学で使っているカバンのチャックを開け、その中にそれを閉まった。
家に帰るとまず教科書をカバンから出した。勉強するわけではない。ただただ僕が小学校の時からそうしているというだけである。僕はさっき拾ったDSGが気になった。
取り出してみると異様な空気を感じた。全く汚れていない。そんなはずはないのだが…。このカバンの中には学校で拾ってきたホコリが入っているはずだ。そんなことはすぐに忘れた。だって自分にとって全く関係ないことである。
折り畳まれたDSGを開いてみた。すると、ソフトが入っていないはずなのにゲームが起動した。
(えっ!?)
画面に文字が出た。そこにはようこそ…としか書いていなかった。次の瞬間、僕はその文字を逆さまに見ていた。
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なお、当小説は自分がほかの小説を進める予定がない時にちょこちょこ進めていく予定ですので、連載期間はこれまでの私の作品よりも100%開くのでご了承ください。しかし、原作の進み具合で連載期間の短縮もございます。
次回投稿は後書きもしくは活動報告にて行います。次は7月16日です。
また、私は現在これ以外の小説は全て鉄道を題材にした小説を投稿しております。「MAIN TRAFFIC」シリーズをはじめ、そちらもよろしくお願い申し上げます。