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0、プロローグ
梅雨が明けて、本格的な夏が訪れていた。
自転車を走らせて、汗だくになりながらも到着したのは、俺が通っている高校。
あと2週間も経てば夏休みになる。
その長期休みを有意義に過ごすためにも、その2週間のうちに全てとは言わないけど、終わりにしたい。……理由はちょっとエゴだけど、それはいいや。
暑い日差しを避けて校舎の影の中に入り、缶ジュースを飲み干す。
そして空き缶をくずかごに放り出した。
汗を拭い、空き缶がちゃんと入ったことを確認し、俺は校舎の中へ入っていった。