第1話 魔物と呼ばれた始まり
俺はかつて輪道という名の人間だった。今は人間社会に溶け込む魔物らしい。
何故魔物になったか…。それは俺がとある裁判で冤罪なのに終身刑を言い渡されその理不尽に憤ったのが始まりだ。そこから俺は狂っていった。
「おい、今肩ぶつかったよなぁ。あんま舐めんなよ!」
「あ!?」
俺は自由時間にすれ違いざまに肩がぶつかった荒夜という身長2m、体重は120kgはあろう筋骨隆々の囚人に因縁をつけられて初日で虫の居所が悪かったのもあり思いっ切り殴り飛ばした。
すると予想外に荒夜は10mは吹っ飛び後ろの囚人達の上を飛び越えて頭から壁に激突した。
「おい!何してる?」
それに気付いた看守達が荒夜に駆け寄り医務室に救急搬送した。
「お…おい!?死んでるぞ!?」
俺は荒夜が死んだ事を知らされショックを受けたのと同時に囚人達から報復で袋叩きにされただ縮こまって頭を守った。最初は殺されると思っていたが不思議な事に痛くはなかった。途中で看守達が止めに入って来てくれたおかげもあり俺の怪我は全身擦り傷程度で済んだ。それを知った全員が信じられないというように俺を恐ろしい鬼を見るような目で恐れた。
「あいつは人間じゃない」
「今すぐ殺して解剖すべきでは?」
俺の異常性を知った警察の上層部は今すぐにでも殺すべき危険人物だなどと、どんどん話が進んでいった。俺はその噂を耳にして危機感を覚えて脱獄をした。脱獄の手順はシンプルなもので壁を殴って砕き走るのを繰り返してそのまま街に入ってその身を人混みで見失わせた。その事を知った政治家達は逆に俺に警護の仕事に就かせようという風に話が纏まった。
その数ヶ月後に俺は政治家達をその身だけで守るボディーガードになった。だが俺はすぐに真に恐ろしい者を殺す職に転職した。
「クソ!何でバレた?本当に実在したのか魔物は!?」
「ははは♪お前下っ端かぁ♪何も知らねえのな…。おつかれさぁん♪」
ザシュッ。俺はスパイにそう言うと手刀でそれをバラバラに切り裂き高らかに笑った。
(ああ、これが転職ってやつか心地良い)
これが俺がボディーガードを辞めた後の仕事、処刑人だ。




