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08

僕はその夜、寮の自分の部屋で、ただ座り込んでいた。

壁に映る自分の影を見つめながら、冷めた感情が胸を支配する。


「……もう、正面から戦っても勝てない」


剣はそこそこ振れる。水魔法も少し扱える。

でも、あの英雄コースの生徒たちの前では、僕なんてただの雑兵だ。

一瞬で圧倒され、鼻で笑われるような気さえした。

――いや、笑われなくても、結果は同じだった。


心の奥で、何かが切れた。

負けた悔しさ? いや、それだけじゃない。

幼馴染――セシリアはあんなにも輝いているのに、自分は……


僕は目を閉じた。

「……くそ、どうすりゃいいんだ」


頭に一つの考えが浮かぶ。

――勝つ方法を選べばいい。


正々堂々? そんなもの、僕には不要だ。

相手より巧みに立ち回る。

弱点を突く。

油断させて、隙を突く。

勝つための手段なら、どんな汚い手も構わない。


胸の奥で、ひっそりと狂気が芽吹くのを感じながら、僕は小さく笑った。

「……次は、絶対に負けない」

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