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07

合同訓練が開かれた。

1組の英雄コースと、僕たち雑兵コースの合同模擬戦だ。


8組の連中は、「英雄コースに追いつける」と鼻息荒く自信満々だ。

……現実を見せる絶好の機会だな。

僕も、水魔法を使えるようになった今、どのくらい英雄コースに通用するか試してみたいと思っていた。

……まぁ、この時の僕がどれだけ甘かったかは、後で思い知らされることになる。


模擬戦が始まると、8組の生徒たちは次々と英雄コースの相手に翻弄され、ボコボコにされていった。

剣の切っ先も魔法の威力も桁違い。

「……やっぱ、違うな」

心の中で小さくため息をつく。

僕の胸の奥に、ほんの少しだけ焦りと危機感が湧き上がる。


そして、ついに僕の番が回ってきた。

「よし……どのくらい通用するか、見せてやるか」

無理やり自分を鼓舞する。

水魔法を使えば、少しは英雄コース相手でも立ち回れる――そんな甘い期待を抱きながら。


模擬戦が始まる。

相手は、剣技と魔法を組み合わせる一級の生徒。動きが速すぎて、僕の水魔法を構える暇も与えない。

水を跳ねさせ、手元で動かそうとするも、攻撃はあっさりかわされ、反撃が飛んでくる。

「うっ……!」

掌の水が散り、僕はひとまず防戦一方に回る。


一瞬で勝負は決まった。


僕は、一瞬で地面に倒れ込んだ。心の中で「やっぱり……無理か」と呟く。全力を出したつもりだったが、相手の一撃であっさりと崩れた自分を、正直笑ってしまいそうになった。


そのとき――


「レイン!」


前から駆け寄ってくる声。振り返ると、セシリアが全力でこちらに走ってきていた。髪が風に揺れ、瞳は心配でいっぱいだ。


「大丈夫?! 怪我は――!」


手を差し伸べられ、僕はその手を取りたくなかった。言葉は出ない。ただ、胸の奥で少しだけ、心が熱くなる。


――僕は、こういう時、何て返せばいいんだろう。


「……大丈夫」


苦笑いで答える。


僕の水魔法は、ほとんど役に立たなかった。

「くっ……まだまだだな」

悔しさが胸を刺す。けれど、顔には出さず、冷静を装った。


――結局、僕は何もできなかった。


無力な自分に、嫌気がさしてきた。


守られる側で、慰められる側で、ただ負けて倒れているだけ。

英雄コースとか、水魔法とか、そんなもの以前の問題だ。


このままじゃ、ずっと同じだ。





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