七夕の恋人たち
七夕の夜に雨が降ってしまい、年一の逢瀬が叶わなかった気の毒な二人の代わりにイチャつく恋人たちです。
「会えなかったねぇ……」
「?会ってるじゃん」
「僕たちじゃなくって、彦星と彦星の話」
「織姫どこ行った?」
「年一のえっちのチャンスだったのに雨だなんて、ホントに気の毒だよねぇ」
「まぁな」
「彦星(受け)は入念に準備して待ってただろうに」
「だから織姫はどこ行ったんだよ」
「代わりに僕たちがイチャイチャしよっか」
「誘い方がめんどくさい」
「だってお風呂長かったじゃん、準備してくれたんでしょ?」
「そりゃもう入念に」
「さすが僕の彦星(受け)」
「まぁな」
「ま、僕なら雨で天の川が増水してもバタフライで泳ぎ切って君に会いに行くけどね」
「一年ぶりに会う恋人がゴーグルつけてブーメランパンツ穿いてたら俺はドン引きするけどな」
「僕のブーメランパンツに惚れたくせに」
「そもそも俺はお前と離れたりしねぇよ」
「僕の彦星(受け)カッコいい〜」
「まぁな」
「僕は君のミルキーウェイで溺れたい」
「ど下ネタじゃねぇか、そんなに出ねぇよ」
「挑戦してみる?」
「望むところだ、かかってこい」
「さすが僕の彦星(受け)」
「溺れちゃったのは君の方だったねぇ」
「うるせぇ、俺はカナヅチだって知ってんだろ?」
「僕の彦星(受け)かっわいい〜♡」
「ま、まぁな」