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婚約破棄された悪役令嬢は隣国の王太子に拾われる ~5つの聖具編  作者: あいら


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9-4

私の作戦は功を制し、あっと言う間に魔獣は倒され、

解体された。


魔獣の素材は、鎧として一級品らしく、

大事に持ち帰るようだ。


リュカ様は騎士達の指揮に忙しそうで、

ほとんど話せなかったが、

行きしとは違い、騎士達の間に笑顔が見え、

ほとんどの騎士達が無事だった事を喜んでいるようだった。


王都に着くと、さてアパートに戻ろうかと思うと、

いきなり王宮へ連れられ、侍女達にお風呂に突っ込まれる。


頭の先から足の先まで、ピカピカに磨かれ、

それでも物足りないと言う風に、

体中マッサージされた。


いきなり王宮に連れてこられた上、

これ以上ない接待を受け、混乱していたが、

次の日、王様に呼ばれ、納得した。


ここは正式な場らしく、玉座があり、

大きなカーテンが吊るされている、

天井のシャンデリアも廊下の物とは違い、

大きくて精密なデザインにされている。


参列者の国の重鎮だけらしく、

決して人数も多くなかった。


玉座の前にいる王の前に行き、

正式な礼をする、

ただ帝国の礼の仕方しか知らないので、

ルナルール国の礼儀をリュカ様にもっと習っておいた

方が良かったかなと後悔する。


「セレーネ、顔をあげよ」


許可を得て、顔を上げる。


「この度の働き、誠に素晴らしかった、

 回復魔法の使い手のみならず、

 魔獣の弱点まで見抜くとは、

 おかげで、多くの兵士の命が助かった」


「ありがとうございます」


「セレーネを、大聖堂の祭司の許可の元聖女と認め、

 また王太子妃とする」


王の言葉に、会場全体から拍手が起こる。


「今日は戦に勝利した事を祝う祝賀パーティだ、

 皆も存分に楽しむように」


王のその言葉を皮切りに、広い会場へと皆向かい、

そこには兵士やその家族、冒険者ギルドの面々も

参加する、大きなパーティが開かれた。


「セレーネ様、おめでとうございます」


「ありがとうございます」


いきなり親公認となった事に戸惑いながらも、

パーティを楽しんでいく、


元々公爵令嬢、パーティでは中心にいる事が多く、

貴族との会話は慣れている。


しばらくすると、大きなコンロで、

肉が焼かれ始めた。


しかも肉を焼いているのはリュカ様である。


「皆、魔獣の肉だ!勝利を味わおう」


リュカ様の声に、皆が肉の塊へと向かう。


そこでリュカ様は、2種類の肉を渡している事に気づいた。


「一つは今までのスパイス、

 もう一つは王太子妃が作ったスパイスだ、

 味を比べてくれたまえ」


リュカ様は、私が作ったスパイスを、

ここで披露するようだった。


確かに、上流貴族から受け入れられると、

民へと広がりやすいものね。


「何、王太子妃が作ったスパイス?

 わしも一つくれないか」


どうやら王様も興味を持ったようだ。


興味深そうに匂いをかいでから、

それぞれの肉を食べる。


「上手い!同じ肉とは思えん、

 スパイスだけでこんなにも違うとは!」


王様が褒めた事で、貴族達も我こそわと、肉に向かう。


「驚きました、こんなに優秀な王太子妃を迎えられて、

 心から歓迎します」


王妃様にも笑顔で歓迎されて、

リュカ様がしたり顔をしている。


ルナルール国の人、全ての人に迎え入れられている事が分かる。


こんな幸せな事があっていいのだろうか。


かつて悪役令嬢として、婚約破棄されて親と縁も切って、

全てを失った少女は、その手のひらに全てを手にしていた。

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