8-2
その次の日は、エリーゼと市へ行ったり、
ルナルール国の服を見たり、
手紙で行ってみたいと言っていた、
王立のお風呂に一緒に行ったりした。
エリーゼはずっと笑顔で、楽しそうで、
辛い事から全て解放されているようでほっとする。
香草の野菜は苦手だけど、木の実は気に入って、
これ持って帰ると、収納ブレスレットに入れていた。
皇太子も好きそうとぽつりと言って、
どこか寂しそうな表情を一瞬したが、すぐに笑顔になった。
2日目、朝どこに行こうか相談しつつ、
リュカ様と会う日だと気づく、
あわてて手紙の鳥を飛ばしたら、私のアパートに来てくれる
事になって、正式にエリーゼに紹介する事になった。
「リュカ様ってどんな人?」
「え?全て素敵・・・かな」
「もう、めろめろね、駄目な男ならすぐ別れさせるから」
「その心配はないわよ」
「余裕ね」
「まあね」
そんな事を言いながら、朝食を食べていると、
扉を叩く音がした。
リュカ様が来る時間よりはかなり早い。
思わずエリーゼと顔を見合わせる。
誰が来ているか、言わなくても二人とも分かっていた。
下を向くエリーゼの肩をぽんぽんと叩き、玄関に向かう。
扉を開けると、予想通りの人がいた。
「皇太子殿下」
「しっ!お忍びだ、エミリオと呼んでくれ」
婚約者であったのも関わず、公式な場でしか会った事が
なかったため、いつも敬称で呼んでいて、
名前を呼んだ事がなかったため、ためらう。
「リオ、何しに来たの?」
「エリー私が悪かった、戻ってきてくれ」
明らかに動揺しているエリーゼに、頑張れ皇太子!
無表情とか言ってる場合じゃないわよと、
心の中でエールを送る。
「私、散歩してくるわ、2人で話し合って」
どこか縋るようなエリーゼの目に、
後ろ髪ひかれる思いはしたが、
私は皇太子を信じている、本気でエリーゼを愛していると。
なので、エリーゼに大丈夫と頷いて、
アパートを後にした。
その後公園のベンチに座り、少し時間を潰す。
皇太子の場合、言葉より行動だから、
今頃抱きしめ合っている頃だろう。
しばらくするとリュカ様が来る頃だから、
それまでに戻ればいい・・・
それにしても、リオとエリーか、
敬称でしか呼ぶことがなかった私とは違って、愛称まである。
今頃仲直りしてるかなと、公園で雲を眺めた。
しばらくして、アパートに戻る。
するとそこには皇太子・・・ではなくエミリオ様
しかいず戸惑う。
「エリーゼは?」
「お花を摘みに行っている」
私は頷く。
「助かった、ありがとう」
「お幸せに」
「ああ」
相変わらず無表情だが、空気が柔らかいのが分かる、
良かった、仲直りはできたようだ。




