7-2
お腹がいっぱいになって、
しばらく泉を眺めてボーとした後、
ここに来た目的を果たす為に立ち上がる。
「私、ボートに乗ってきますね」
「え?じゃあ、俺が漕ぐよ!」
私と一緒にゆったりしていたリュカ様が、
あわてて立ち上がる。
そのまま、私の手を引いて立ち上がらせてくれて、
ボートの所まで日傘を持って影を作ってくれる。
王太子様にこんな事させていいのかしら?
とは思うが、リュカ様のする事、
いちいち口出すのもどうかと思うので、任せている。
ボートに乗り込み、リュカ様が舟を漕ぐ。
「リュカ様、女神像の所までお願いします」
「分かった」
しばらくして、女神像の前に到着。
「少し待っていて下さい」
リュカ様にそう告げて祈りを捧げる。
「エロイムエッサイム エロイムエッサイム 我は求め訴えたり!!」
セー〇ームーンに続いて、こちらは悪〇くん。
セー〇ームーンとはまた別の、音響担当の製作者が、
どうしてもこのセリフを呪文にしたい!とこだわったらしい。
すると女神像の胸元が光り、
その光は私の前に来て、指輪へと変化した。
よし!4つ目の聖具、『防御の指輪』入手!
リュカ様を見ると、今起こっている事が信じられないようで、
目を見開き、呆然としていた。
あ、こんな表情レアかも・・・
と、私はじっくりとリュカ様の表情を観察する。
すると、はっとして、
「それは?」
とリュカ様が聞かれるので。
「聖具、『防御の指輪』です」
「聖具?」
私は微笑む。
「そうです、これで4つ目なのですが、
5つ目は難しそうですね」
「え?4つも集めたのか?」
リュカ様に肩を抱かれて、あまりもの剣幕に、
私はたじたじになる。
「はあ・・・まあ・・・・・・いちおう?」
しばらくリュカ様は考え込み。
「5つ目の目星もついているだね」
「はい、どこにあるかとか、だいたいは分かっています、
ただ、どうしてもリュカ様の協力が必要なので・・・」
「なら、協力するよ」
「いいのですか?」
即断に驚く、結構大変だけど・・・
「聖具を揃えるのは、王国の悲願だ、
王太子として、入手できる可能性があるなら行動すべきだろう」
強い決意を感じ、私はお願いする事にした。
「ではよろしくお願いします」
どうやら、5つめの聖具も手に入るかもしれない。
「他に秘密はない?」
岸に上がった後、リュカ様に聞かれてしまった。
転生とかいろいろあるが、
これは今は言わない方がいいだろうと思う。
そこで、しばらく考えた後。
「”盗賊の秘宝”を手にしたのですが、
呪いのアイテムなどあって、
どの呪いは解いて、どの呪いは解いてはいけないか分からないです、
他にも、元の持ち主で困っている人がいれば、
できるだけ返してあげたいなと思って」
「分かった、全面的に協力するよ」
そうして、呪いを解いたり、持ち主に返してあげたりしていると、
いろんな人から感謝され、支援者が増え、いつの間にか、
セレーネが王太子妃候補として確固たるものになっていた。
その事に、本人だけが気づいていないのだった。




