5-2
盗賊のアジトに向かう5日間、
運よくガルガンティア山脈に向かう馬車があったため、
それを予約していた。
出発の今日にしたのは、この馬車があったからでもある。
中には5人乗っていて、
護衛が4人つくそうだった。
一緒の馬車に乗った人とはすぐに仲良くなり、
ガルガンティア山脈の出身と聞いて、様々な事を聞いた。
一番気にしていたモンスターだが山脈までは、
Dランクのモンスターがいる程度と言う事で、
比較的安全に行けそうでほっとする。
馬車はゆっくり進み、途中での宿も、
大きな立派な宿だったので、安心して眠る事ができた。
後で知ったのだが、一緒に旅行した5人は、
領主とその家来だったらしく、
かなり旅費が高めの設定だったらしい。
そこに、ひょいと若い女の子が追加されたので、
歓迎もあって優しくされたそうだ。
後回復魔法の使い手とあって、
疲れた馬達を癒す事を条件に夕飯をおごってもらえた。
市場のシンプルな料理も美味しいが、
様々な木の実や果物を絶妙にブレンドさせたソースが
かかった料理や。
この国の野菜は香草が中心で、クセが強いはずなのに、
ドレッシングによって、絶妙な味になっていたりと、
今まで口にした事のない料理に感動した。
あまりのソースの美味しさに、レシピを教えて欲しいと
お願いし、料理方は教えられないが、ソースだけならと、
持っていた指輪一つと交換で教えてもらえた。
実家から持ってきて、今まで何の役にも立たなかった宝石達、
ここで初めて役に立って、持ってきてよかったと思う。
そして、宝石を見た一緒に馬車に乗っていた領主様は、
私を貴人として認めたらしく、平民だと言っても、
聞き入れてもらえなくて、丁重に扱われた。
そんな風に、モンスター達も護衛がガンガン倒してくれて、
安全快適にガルガンティア山脈へと到着した。