表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/44

1-2

部屋をぐるりと見渡す。


天蓋付きの3人は寝られそうな大きなベッド、

調度品もぱっと見ただけで高級品と分かり、綺麗に磨かれている。

部屋はベージュとピンクで可愛らしくまとめられており、

女性らしさが感じられる部屋だった。


でも


ここは”私の部屋ではない”


痛みの取れた体を起こして、鏡台に映った私を見る。


シルバーの腰までの長い髪に、薄いブルーの瞳。

間違いなく美人の部類に入るだろう、整った顔。


そして今流れてくる、ロザリアとしての記憶。


間違いない、ここは乙女ゲームの世界、

しかもロザリアは悪役令嬢だ。


元々私は高卒のフリーター、23歳、

高校を出てから、近所のスーパーで働き、

韓国ドラマとゲームが趣味という、どこにでもいる庶民だった。


両親と一緒に住んでおり、家に5万入れれば、

そのうち結婚して出ていくだろうと、何も言われなかった。


放任主義だったが両親からは、しっかり愛情を受けていた。


それが、帰宅途中でトラックに撥ねられて・・・


そこまで思い返して、体がぶるりと震える。

多分即死だったのだろう。


お父さん、お母さん、

孫の顔見せてあげられなくてごめん・・・


頭の中で、前世の私、ゲームの知識、ロザリアの知識をまとめる。


エマの話だと、断罪の3日前、

ロザリアの記憶だと、ヒロインは皇太子ルートをクリアしそうだ。


そこまで思い返して感嘆する。


皇太子ルートは隠しルートか?と言われるほど攻略が難しく、

スマホで攻略を見ながらプレイしても、私は一度も皇太子を攻略

できなかった。


元々ヒロインは平民設定、皇太子を落とすには、

知識、魔法、マナー、ダンス、魅力、

全てのステータスをかなり高く上げなくてはならず、

どれか一つが欠けてもルートから外れる。


現実で考えると、とんでもない努力が必要となり、

それを学園生活の3年でしたと考えると敬意すら感じる。


こりゃ、家庭教師を付けて、幼い頃から勉強しながらも、

中の上ぐらいだった私では到底敵わないわ。


ヒロインの性格が悪ければ、将来が不安にもなるが、

悪いのははっきり言って自分で、

よく皇太子、ヒロインを選んでくれたわねと言う感じ。


あの2人なら、この国は安泰だろう。


私は最後の方でヒロインのエリーゼを階段から突き落とす所で、

エリーゼを突き落とそうとして、

エリーゼに避けられ、私が転落してしまった。

先ほど起き上がった時、体中が痛かったのは、

階段から落ちたせいだ。


エリーゼに大怪我を負わせなかった事で、

多少ストーリーに変更はあるかもしれないが、

3日後卒業パーティで断罪が行われ、私は国外追放。


もう、ストーリーは変更できないだろう。


処刑など死ぬ運命ではなかった事に安堵しつつ、

対策を考える事にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ