表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/35

3-8

ルナルール国でする事は聖具集めだ。

聖具は全部で5つ。


・ネックレス『無効化のネックレス』

・指輪『防御の指輪』

・剣『聖剣』

・杖『大聖女の杖』

・本『調合の書』


手紙によると、一番簡単で、

最初にお勧めと書かれていたのが、

聖具の本である『調合の書』を入手する事。


調合はポーションで成功率30%、

ハイポーションなら10%しかなく、コスパが物凄く悪い。


ただ、『調合の書』があれば、ポーションは100%、

ハイポーションでも80%の成功率となり、

劇的に変化するとの事だった。


イベントはいくつかの手順を踏まないと、

クリアできない事も多いが、『調合の書』の場合、

売っている店を見つけるだけでいいとの事。


ただ、この『調合の書』がどこにあるかが問題で、

日本とは違って本は高級品でほとんど流通しておらず、

本屋なども存在しない。


ルナルール国は本について生産が盛んな国ではない、

貴族・王族が持っているのなら、

もう皆に知られているはずなので、

どうやって『調合の書』を手に入れるのか、

全くの謎と言う事だった。


ドワーフの店と言うキーワードはあるが、

ドワーフは鍛冶屋を営む事が多く、

『調合の書』と関係があるとは思えない。


ん、ドワーフの店?


最初ルナルール国に来た時、大聖堂で紹介してもらったお店、

店員ドワーフじゃなかったかしら?


どきどきして、次の日ドワーフの店に行くと、

相変わらず商品が店中に積み上げられている。


これではどこに『調合の書』があるか分からない。


「あの、すみません」


「なんだい」


相変わらず、少しぶっきらぼうなドワーフが応える。


「本を探しているのですが」


「本?そういえば一冊だけあったような・・・」


そう言って、店の商品をどんどん移動させていった。

商品と商品の奥、のその奥。と言った感じだ。


これは・・・絶対普通じゃあ見つからないよね。


「あっ、ほらあったよ」


ドワーフに渡されたのは、洋装で分厚いカバーがついた、

いかにも高級そうな本だった、


確かに『調合の書』と書いてある。


どきどきして本を捲る。


そして唖然とした。


本は200ページはあるだろうか、

分厚さがあるのに書かれているのは最初の2ページだけ、

他は白紙だった。


本当にこれが『調合の書』なのだろうか?


少し不安になりつつも、エリーゼの情報を信じ買ってみる事にする。


「この本いくらですか?」


「この本が欲しいのかい?変わっているね」


私もそう思う。


「本は高額品だが、見た通り2ページしか書いてない、

 特別に500万リラでいいよ」


「500万!」


回復魔法の仕事で、ある程度お金があるとは言え、

とても買える金額ではない。


2ページだけなのに・・・


うううっ。


母国から持ってきた宝石が売れていれば、

購入も可能だったかもしれないけど・・・


「買うのかい?」


ドワーフがどこか期待した目で見てくる。


その目には申し訳なんだけど・・・


「お金が足らないわ」


一番簡単なイベントでこれなら、

他の聖具はどんなに入手が大変なのかしら?


少し不安になりながらも、断念して店を後にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ