3-6
私はうきうき気分でギルドを出る、
1000リラ×28人で2万8000リラ!
一日の稼ぎとしては、かなりいい方だろう。
数日働いて、何とか14万リラ貯める事ができたが、
確かに宿住まいだと貯蓄のペースが遅い、
これならもう借りちゃってもいいのでは?
そう思いながら公園を目指す、
今日もティファさんは包丁を振るっていた、
他の料理をしているおば様達ともすっかり仲良くなって、
みんな気軽に話しかけてくれる。
今日の夕飯にと昨日解体してもらったウルフの肉を焼く、
この国では牛のようなモーディと言う動物と、
豚のようなトントンと言う動物が家畜として飼育されていて、
一般的にはその肉を食べるようだった。
ウルフなどモンスターの肉はジビエにあたり、
冒険者や長距離を移動する商人などは食べるが、
あまり普段の食事では出されないとの事。
冒険者ギルドで、ウルフなどの買い取りが少ないのは、
お肉としての需要が少ない事も原因だろう。
「そういや、ウルフの皮はもっているかい?」
「ええ」
「このスパイスと交換しないかい、ウルフの肉がぐっと
美味しくなるよ」
「え、いいんですか?ありがとうございます!」
料理をしていた1人と、ウルフの皮とスパイスを交換する、
この国の調味料は、塩と胡椒を混ぜた物で、
国の特産品でもあるという事だった。
さっそくウルフの肉にスパイスをかける、
一気にいい匂いがして、食欲がそそられる。
「そう言えばティファさん、アパートを借りようと
思うのですが、お勧めはありませんか?」
すっかりティファさんに相談癖がついた私は、
思い出したとばかり聞いてみる。
「お金は大丈夫なのかい?」
「はい、月10万リラぐらいの予算です」
「うーん、そうだね、なら宿屋ギルドに行ってみたらどうだい」
「宿屋ギルドですか?」
ティファさんの話だと、不動産屋と宿屋協会と
ホテル業界が合体したような、宿泊者専用のギルドがあるらしい。
地面に地図を書いてもらって、場所を覚え、
宿屋ギルドに向かう。
宿屋ギルドの垂れ看板を見て、施設に足を踏み入れると、
小さな花がプリントされた可愛い壁紙が目に入り、
大きなカウンターが設置されている、なによりいい匂いがして、
冒険者ギルドとの違いに驚く。
「あの、アパートを借りたいのですが・・・」
受付の男性に話しかける。
耳が尖っているので、おそらくエルフだろう、
この世界では珍しく、スーツを着ている。
「それではこちらに」
と言われて、カウンターの椅子に座る。
「まず、条件などお聞きしてもいいですか?」
「そうですね、大聖堂・公園から離れすぎていなくて、
女性1人でも安心できる所がいいです」
「そうですか、予算は?」
「1ヶ月10万リラです」
「10万リラですね、でわご案内します」
「そう言ってカウンターから出て来た男性の後ろについていく。
案内されたのは、本当に公園の近く、
見晴らしも良く、すごくいい環境だった。
「こちらが9万6000リラのお部屋になります」
紹介されたのは8帖ほどあり、お値段の割には広いと感じられる、
ただ、土の壁がむき出しで、少し衛生面が気になる。
「もう少しお値段上がってもいいので、良い部屋ないですか?」
そう言うと、案内してた男性は嬉しそうに、
「なら、最上階をご案内します」
と3階にある部屋を案内してくれた。
私はその部屋を一目見て気に入った、
広さは8帖程で変わらない、ただ壁は宿屋ギルドと同じような、
小さな花の壁紙が貼られており、床も木で色合いも綺麗だ、
グレードが全然違うのが、一目で見て取れた。
うっ、でも高そう・・・
「ちなみに、お値段は」
「1ヶ月11万8000リラです」
私は少し悩む、この国には、敷金、礼金はなく、
水道、光熱費もないので、何とかなっちゃうんじゃない?
また、回復の仕事をすれば稼げるし・・・
仕事への決意を新たに宣言する。
「この部屋にします!」




