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出会い

初の連載ものです。

上手く書けるかわかりませんが読んで頂けたら嬉しいです。


 リーゼと初めてあったのは、僕が7歳。

リーゼは4歳。

 僕の住むアパートの隣の部屋へ引っ越して来て、両親と共に挨拶に来た時だ。


「今日から隣へ越して来ました。私はヘンリー、妻はアンジェ、そして娘のリーゼです。」

「ご丁寧にどうも。私はロード、妻のマリ、息子のケビンです。」


 そう言って握手を交わす2人。

 僕は母アンジェさんの後ろから顔だけ出している子に近づき、目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。


「初めましてリーゼ、僕の名はケビンだよ。」


 と、両手を差し出した。

 始めリーゼは困ったような顔をしていたけれど、母親アンジェさんに促されるよう僕の手を繋いだ。


「!!?」

「!」


 リーゼが触れた瞬間、不思議な感覚が指先から伝わった。

 痛みでも無く、痺れでも無い。

 不思議な感覚。

 それはリーゼも同じだったようで、目を見開きながら僕を見た。

 しかし手は繋がれたままで・・

 その様子に気付いたリーゼの父ヘンリーが手を離そうとした時、


「ケビンお兄ちゃん!」

僕に抱きついて来た。


 あれから6年が経ち、リーゼには魔力がある事がわかった。

 我が国には稀に魔力を持って生まれてくる子供がいる。

 親が魔力持ちだと少なからず魔力を持った子供が生まれるが、リーゼのように両親が魔力無しから生まれる子供は生まれながらにして強い魔力を持つと言われていた。

 強い魔力を持って生まれた子供は国に引き取られ、英才教育を受ける。

 リーゼも前例通り強い魔力を持って生まれた。

 しかし魔力の器が小さいせいか、長持ちしないため特別に両親の元へと残された。

 そんなリーゼも10歳となり、目に見えて魔力が強い事がわかるようになった。

 始めはアンジェさんの買い物の荷物を。

 自分の3倍は大きな大人を支え、暴れた馬も押さえつけ、今目の前で倒れかけた荷台を支えている。


「ケビン兄さん!早く下にいる人達を引っ張り出して!」

「もう少し頑張れ!最後の1人を・・・ヨシッ!もういいぞ!」


 最後の1人を引っ張り出した瞬間、リーゼの力が切れたのか

 ガシャーーン!!

と音を立てて荷台が倒れた。

 リーゼのおかげでケガ人も出ず、町の人達に感謝されていると


「ケビン兄さん!」


と、人前で抱きついて来る。


「こらっ、抱きつくなって言ってるだろ!」


 そう言いながらも悪い気がしない俺。

 この6年間ずっと抱きつかれていれば、町の人達もただのスキンシップと受け入れている。


(でもあと5年もしたら流石にマズイよな・・)


 そう思いながらも今の現状を気に入っているし、正直リーゼは可愛い。

 あと5年、いや3年もしたらアンジェさんのような美人になるはず!


「・・兄さん気持ち悪い顔してる・・。」

「えっ!?」


思わず想像してしまった。


「ケビン兄さんはママの事好きだよねー」

「俺に限らずだろ!俺のお袋と比べてみろ!」

「私オバさんのハッキリした性格とか好きだよー。」

「リーゼだけには優しいからなぁ 笑」


 そんな会話をしながら手を繋ぎアパートへ帰る。

その日常がいつまでも続くと思っていた。



 リーゼが11歳になった時、王立魔術師学園から使者がリーゼの魔術の器が大きくなった為に迎えが来たのだ。

 学園での生活は5年。

 その後魔術の大きさによって働く場所が決まるらしい。

 国の決まり事、誰も反対する事は出来ない。


「パパ、ママ。兄さん。行ってきます。」


 最後に俺に抱きついて来たリーゼを受け止める。

 夏と冬の休みには必ず帰ってくるね!

 そう言って笑顔で去ったリーゼ。


 もう自分は必要無くなったと、急に寂しくなった。







ずっと側に居ると思っていた人が居なくなる寂しさは辛いです。

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