半神
「当分あの様子ならまともに外歩けないんだけど?!」
「まぁ...それが新人魔王の慣例だから仕方ないね。」
自分の存在を偽ることで何とか追っ手を巻いてラドニアのダンジョンに来た僕達。まぁとりあえず呼ばれたから来ただけで特に何をするとか聞いてないんだけどね。
「そういえばヴァン,私に何か伝えたい事があったんじゃないの?」
「あぁ...その事なんだけどね。...ん〜どこから話そうかなぁ。」
そう言って首を傾げる姿はこれ以上無いほど美しく,可愛らしい。まるで一輪の花が風に揺られ優雅にその姿を世界に知らしめているかの様だ。
「うん,先ずはせきちゃん魔王就任おめでとう。私もこんな早くに魔王になるなんか思ってもみなかったから凄く驚いたよ。それとねもう一つ...これはもっと想定外。まさかこんな結末に行き着くとは...あのね,落ち着いて聞いて欲しいんだけど...今のせきちゃんは半神...それも限りなく神に近い方。私の魔神としての神力を全部持ってっちゃったからね?一応神格が無いから半神って事にはなるんだけど...」
「ちょ,ちょっと待って?!私が半神?!ヴァンの神力を奪っちゃったって事?!」
「まぁそんな感じ。」
嘘だろ...?僕がヴァンの力を奪ったって...
「それでね?今の私は自分の姿を変えられる程の力も無くて...良かったら何だけどさ,少しの間せきちゃんの元いた世界で匿ってくれないかなぁなんて...」
「え?!」
ヴァンがこっちの世界に?!そもそも来れるの?!
「それについて妾が説明しよう。」
「ラドニア居たの?!」
「ここは妾の土地なんじゃが?!」
いや違うよね?普通に不法滞在だよね?
「今のせきは確かに魔神の力を受け継いでおる。これはあの血液サーバーの要求魔力量が増えた故確定事項じゃ。」
「え?あれ可変式なの?」
「らしいのじゃ。じゃがサリヴァンの血が安くなったので別にいいんじゃが...それ程弱体化しているという事でもある。かの魔神の核が簡単に手に入ると知れれば...今のお主と同じ状況に身を置く事になるじゃろうな。」
「それって...」
「そこでお主ら旅人の世界に一時避難じゃ。魔神の魔力とデウス・へドロンさえあれば星間渡航など容易いものだろう。」




