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歌い謳われ魔王様!  作者: 熠椛メルト
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御前試合4

 (出来たぞ。後はあいつにぶち込むだけだ。)


 これは...私達の三属性での同時攻撃ですか?


 (いやちょっと違う。これは三位一体...名ずけるなら混沌属性だ。)


 相変わらずの厨二ですがこれにかけましょうか。カノンは残り30秒を切っていますし,とりあえず目潰しからの背負い投げ...フェイントで背中に一瞬触れましょうか。対抗して前重心になった瞬間に投げます。


「...チェックメイトです!」


 (秩序の崩壊(カオスインパクト)!)


 何やら痛々しい技名が聞こえて来ましたが一先ず勝利しました。それにしてもせきが起きてきません...あの攻撃,もしや即死系のものだったのでは?まぁでも御前試合が終われば敗者は生き返りますし大丈夫でしょう。


 (おい天使!上見ろ上!)


「なっ?!」


 星が未だ消えていない?!まさか道ずれも加味しての事だったのですか?


 ざりっ...


 なんと無機質な音でしょうか...ですが私達に恐怖を植え付けるのには充分でした。


「執拗い人は嫌われますよ...!」


「生憎...その言葉は聞き飽きた。」


 化け物が...!例え何度立ち上がろうとまた土を付けてやりますよ!


「...おっっも!」


 先程のように肉薄し魔王の腕を掴んだのですが何かおかしい...まるで大岩...


「まさか...魔王具を解放する事になろうとは。」


「魔王具...?」


「そう。歴代魔王に魔神から送られる最上級の武具...それが魔王具だ。」


 (なるほど...俺らで言うとデメリット無しのカノンみたいな感じか?)


 なんですかそれ!チートじゃないですか!


「魔王とはここサリヴァンを束ねる王であり,最も強き者。それが些細な違いでは国が纏まらぬ。故に,隔絶した強さを見せつける為の武具だ。これを越えねば次の魔王になる事は出来ぬ。我に与えられた権能は...《完知耐性》。これにより我が得ている知識を元にした影響を完全に遮断できる。」


「人型でありながら人体の急所を克服し,更には完全耐性?こんなの勝てる訳...」


 (天使!カノンが10秒を切った!あいつを倒すならせきが持ってる偽属性をフル活用して抜け道を作る他無ぇ!俺はオグメンタで隕石を止めるからせきを叩き起こせ!)


「ちょっと悪魔?!」


 私はカノンから弾き出されるように地面へと転がる。それを一瞥したカノン...悪魔は,燃え盛る炎の様な可視化した魔力を纏って隕石へと飛び立っていきます。あんな無茶したら確実に...


「やっとその顔を拝めたな...玖原せき。」


 飛んで行った悪魔に目もくれず,ただこちらを見下ろす魔王。その時遥か上空で花火が舞った様な轟音とぱらぱらと小石が降ってきます。


「どうやらあのフルアーマーが貴様の強さの秘密らしい...二十分の一ほどに戦闘力が落ちているぞ。」


 悪魔が...死にました。心より...もっとずっと深い場所にぽっかり穴が空いた感覚です。はぁ...これでまた一つ未来が怖くなったじゃないですか。


 でもお陰で確信が持てました。...せきは生きてる。全く,寝坊助なんですから。


「玖原せき,既に貴様は我の敵ではない。大人しく諦めるんだな。」


 ゆっくりと近ずいて来る魔王...


「まるで死神ですね...」


「貴様の次々に変わる雰囲気...口調...おそらくは降霊術のようなものだろう。それを狩る我が死神とは...なかなか詩的だな。」


「ふっ...生憎私はせい(・・)者ですよ!」


 私は実体化して目眩しと目潰しを同時に使い,駆け出す。そして私の(・・・)を条件にせきを起こす魔法を発動する。


「ごっ...ふ...」


 まるでやり返すように私の胸を貫きトドメをさす魔王...


「実体化で自爆特攻とは...な。だが同じ手は喰らわぬのだよ。」


「でしょうね...だから負けたんですよ...」


「何?」


「...メガザルってね。」


「てん...し...?」


 後は頼みますよ...せき...

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