御前試合3
遅刻が普通は流石にヤバい...
「武術の次は魔術と...随分多彩ですね。」
「それはどう...も!」
私は聖の魔力を目一杯込めて打ち出す。これは魔神の加護の効果で使える魔力を一度身体を通して打ち出すので全身の血管のような何かが熱を帯びるんが感じ取られた。
「属性弾ですか...それも高濃度。でも効率悪いですよそれ,魔脈が切れる可能性も...」
いちいち気に触りますねこの人...!しかし龍華拳は聞いている素振りがあったのに魔法は全くと言っていいほど聞きません。...あぁいい事思い付きました。何も魔法を攻撃の為に使う必要なんて無かったんです。
「《己を偽れ。我汝を写し出す鏡なりて,汝と成す。【トレース】》」
この身体の所有はせきにあるのですから問題なく偽属性の魔法を使う事が出来ました。私が写したのは四翼...せきの師だった人です。
「ここからはちょっとアプローチを変えますよ。」
魔法はあくまで補助。目潰し目眩し用にしか使わない。あの魔王の反応からダメージは受けていないようだけど視覚を奪われる様な行為は有効であると判断した。あとは悪魔が技を完成させるのを待つだけ...
(おい...もしかしなくてもせきの属性が使えるのか?)
見ればわかるでしょう...
(最後のピースがハマった。魔力を練るから心臓部分借りるぞ。)
わかりました。出来たら言ってくださいね。カノンは残り1分20秒程で機能停止します。
*
『...実況放棄してすいません!2度の極光と星堕の対処で疎かになってしまいましたが改めて試合を...』
私は勝利を目前に控え慢心していた。当初懸念していた即死の攻撃は飛んでこず,ずっと肉薄して攻撃をする我が君のお気に入りに少し失望し始めていた。
その流れが変わったのが一旦魔法を使い始めたと思ったらまた肉弾戦を仕掛けてきた時だ。
最初のうちは魔法の効きが悪く,ダメージを与える事が出来た物理攻撃に戻ったのだろうと思った。しかし《不知の罰/過知の罠》が発動し,段々ダメージが通らなくなってきたので目の前の者が敵では無くなったと慢心していた。
しかしどうだ今の私は。壁に叩きつけられ,地面に膝をつけている。ダメージは無い。いや全くないと言うと嘘になる。自分が何故このような状況になっているかはある程度分かっているからだ。伊達に人体の知識を持っているが故に今自分の意思に関係なく身体が動かされていることを理解してしまう。
それが堪らなく屈辱だった。まるで自分が子供に戻ったような感覚を...相手に叶わないという感覚を植え付けられる。
また膝に土を付け,顔を上げた先には見たことも無い魔力を纏った拳が眼前にあり,私の胸を貫いた。
『...圧倒!せき選手がイシュラメイ選手を圧倒!ですが皆さんご存知の通り御前試合の魔王は第2形態があります!魔王具解放!』




