御前試合:1
『...正午になりましたのでこれより御前試合を開始させていただきます!先ず主神右手側,我らが魔王イシュラメイ!そして左側,チャレンジャー玖原 せき!上記二名による御前試合を主神による合図で始めさせて頂きます。』
私は目の前に立つ我が神のお気に入り...せきと言ったか?それを見て一種の関心を覚えていた。初めてあいまみえた時は戦闘力200にも満たなかった羽虫が今や12万を超えている。私と同じような特殊タイプの魔族かと思ったが...この成長スピードはいくらなんでもおかしい。そして私を殺した未知の攻撃。物理か魔法かそれすら分からなかった。理外への対策である魔王具が一旦封じられている以上先ずは観察に徹するべきだろう。
『御前試合を...開始する!』
「━━。」
「なっ?!」
戦闘力が急激に増加している!...10万...20万...30万...40万...?!
「消えた?!」
いや下だ!下からの空拳での両手熊手突き!闘気有り...武術か!なんだ?!どの流派だ?!
「がっ?!」
硬い(・・)!肉体硬化とも違う...金属か?!
その瞬間後頭部を掴まれ,目の前に膝が迫る。
「ぐっ!」
幻覚だ!膝が当たるより先に金属がぶつかった様な衝撃が来た!次は...踵蹴り上げ!
「...!」
見えた...フルプレートアーマー!《不知の罰/過知の罠》が発動した!
*
(どうしたせき?!追撃はしないのか?!)
最後の蹴り上げだけ手応えが違ったんだ。まるで弾かれた様な感覚で...
『せき選手!イシュラメイ選手の顔面に怒涛の三連撃!それも実況者用資格強化眼鏡有りでギリッギリ見える速さ!イシュラメイ選手は為す術なく蹴り飛ばされてしまったあ!しかしせき選手追撃が出ない!何かしらクールタイムが存在するのか?!』
「綺麗なフルプレートアーマーですね...僅かながら神力も感じます...ですが,その衣装が完全に隠れてしまうのだけは頂けない...」
「なっ?!」
見破られた?!あの一瞬で?!
「さて...反撃と行きましょうか。」
(せき!足元だ!)
そこには...闘技場を埋め尽くす巨大な魔法陣だった。
「自爆特攻でもする気か!」
魔法の発動を阻止する為魔王へ一瞬で距離を詰める。
「龍華拳:柔,息吹!」
四(あずま)の道場で習った武術を自分なりに落とし込んだものを叩きつける。龍華拳:柔は内蔵にダメージを与えるもので先程の三連打は龍華拳:剛,こちらは完全な打撃で,骨肉にダメージを与える。どちらもカノンの姿勢制御により型になったもので,まだ生身では使えそうにない。
「あぐぁ?!」
抵抗は無い...3打目のあれはなんだったんだ?...天使,防御は?
(魔力障壁展開してます。)
了解...魔法陣は消えてくれないか...来るぞ!
「...極光!」
目の前が一瞬で光に包まれる。魔力障壁は展開しているが...熱い!それに目がやられたのが辛い!何処から来る?!
(せき!その場から離れろ!あいつはまだ俺達の速さに着いてこれてない!)
分かっ...
「死電牙雷!」
まっず?!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ!」
(せき?!おい,せき...!)
声が遠くなっていく...まずい...落ち...る...




