非人道的ドリンクバー
「じゃあ我らはそろそろ帰るぞ?」
「あ,はい。今日はありがとうございました。」
「なに,シエラの義弟だから助けただけだ。まぁいずれ頼み事をするかもしれんがな。」
「微力を尽くしますね。」
「またな,皙。」
「うん,義姉さんもありがとう。また個人的なお礼を持っていくよ。」
ある程度別れの挨拶をするとデウスみたいに光となって消えていく。
「ふぅ...緊張したのじゃ。」
「そんなに?」
「そんなにってお主なぁ!急に別の会社の社長と幹部が来たら緊張ぐらいするじゃろうて!」
「うっ。」
確かにそれは言えてる...そっか僕にとって義姉さんは義姉さんでしかないけどラドニアにとってはとてつもなく目上の人...うん,心労がやばい。
「それに加えてデウスの奴も出張ってきよってからに...せき!お主もじゃぞ!無属性の騙じゃと思ったら偽じゃと?!気を失って目覚めぬようになってからどれだけ心配した事か!」
「いや,僕のに関してはラドニアが悪くない?」
「...してせきよ,お主デウスとラドニアの加護があるじゃろう...?」
話逸らしたな?上手くいったからいいけど。
「持ってるけど...」
「ならばこそ!望んだ血液を作り出す機械を作って欲しいのじゃ!」
「ヴァンの血を?!」
ちょっとそれは許せないかなぁ。個人的な理由だけど...いや,機械さえ出来ればこの施設も用済みになって誘拐事件も起こらなくなるのかな?
「いいやそうとは限らん。望んだ血と言うには何も一人に限ったものでは無い。勿論処女の生き血と言うのは格別じゃが中には他の血が良いと言う者もおる。妾も吸血鬼族を統べるもの,上の者として示しを付けんとな。それに医療用としても使えるであろう,患者の承諾は必要になるだろうが。」
「要はドリンクバーが欲しいって事?」
「せきよ...妾が言うのもじゃが人道からは外れてくれるな?」
まぁ流石に僕もちょっと酷いかなって思っちゃった。それはそれとして...
「じゃあラドニア,今日は協力してくれてありがとう!またね!」
「ま,待たんか!ここまで協力したんじゃぞ?!少しぐらい役得というものが...」
「でも僕的にはこの前の慰謝料的な意味合いだし...」
「しかし...!」
「わかったよ...作ればいいんでしょう?」
そう言ってデウス・ヘドロンを取り出す。あまり深く考えて無かったけど...今ならこれの使い方がわかる。
「...!」
僕は辺りに存在する魔力を渦のように操り,デウス・ヘドロンに注ぎ込む。想像するのは自由に血液を作れる機械...設計図はないけどあの神の加護が補ってくれる。
「...!」
あぁそういう事か。一緒なんだ,魔法少女と。要は想造。想いを現実に...呼び覚ます。
「...出来た。」
「おぉ...これが。」
見た目はドリンクバーみたいだけど液晶画面で条件を設定,それに倣った血液を自動で精製出来る。
「では早速...」
「駄目だよ,材料を入れないと...」
「何を入れればいいのじゃ?」
「魔力だよ,条件がキツくなるに連れて必要量は上がるけど。」




