平行世界
素で遅刻しました,すみませんでした
―パチンッ...
シエラ義姉さんが指を鳴らしたと思えば僕達は知らない場所に立っていた。
「ようこそ,カミツレへ。悪の組織の総本山...どうだい?インスピレーションとかわかない?」
あまりに一瞬の出来事過ぎて何も言い返せなくなる。そして目の前には先程神であると伝えられたみこさんが座っていた。
「全く...貴方はいつも突然です。急に居なくなったと思ったら当分の予定をキャンセルしろですって?出来るわけないでしょう...辻褄合わせの原稿の添削付き合って下さいよ?それで...久しぶりですね皙さん。結婚式以来ですか?まさか人の身を踏み外すとは...」
「あっ,久しぶりです。それより人の身を踏み外すって...」
「言葉の通りです。魂の位が上がって異界の神...それも二人分の加護を得ているとなると正直生身で魔法少女の弱い部類なら制圧出来ますよ?まぁ,要件は見えてきました,ここからは...我が話そうではないか。」
その瞬間,ヴァンやラドニアと初めて会った時のような威圧感をみこさんから感じる。
「神威...!」
「ほう...この圧にも耐えるか。合格だ,我直じぐはっ!」
ドンッ...と大きな音を立てて後方へ吹き飛ぶみこさん(?)。シエラ義姉さんが蹴飛ばしたみたいだけど...見えなかった。
「なんでそんな上から目線なんだよ...!義弟だぞ?私の...!」
「...すまん。」
全くの無傷で立ち上がるみこさん(?)...こうして見ると神様って割と人間くさいなって思う。いや違う,人間が神に似せて作られたのか。
「皙よ...我の事はまちとでも呼べ。して,貴様はどうしたい?」
「僕達の魂の行く末を知りたいです。」
「なるほどな,確かに貴様の魂の比率は崩れておる。しかしてそう焦ることでもないのもまた事実だ。異界の神に何を言われたかは知らんが貴様が死ぬまで何ともあるまいて...」
「えーっと...それは嬉しいんですけど実はこの体じゃなくて...」
そう言って僕は先程シエラ義姉さんにも話した事情を伝える。まちさんは...苦い顔をしていた。
「貴様は平行世界という言葉を知っておるか?」
「はい。」
「平行世界は実在する...が別の宇宙という訳では無い。」
「と,言いますと?」
「宇宙とは無限に広がり続ける物であり,その中に点在する星もまた無限に存在する。これがそこの女が最強たる所以なのだがまぁ今は関係ない。無限に存在するというのが今回の肝なのだ...我々が居るこの星と同じ物,少し違う物,全く違う物が無限に存在すると言う事になってしまう。して,その無限の中から我々はどう貴様を探せばいい?」
なるほど...例えるなら全く同じ僕,髪の毛が一本無い僕,女性の僕みたいな存在が無限に居るから特定するのは難しいと...詰んでない?
「私ならわかるぞ?」
「は?」
「私なら無限に存在する皙の中で今目の前に居る皙がどの星に居るかわかる。」
「...はぁ,だそうだぞ?いつ決行する?先ずはラドニアとやらに話を通すのが筋だろうが...別世界の住人を受け入れているからには変な制約も無いだろう。」
「今すぐでもいいよ?」
「じゃあお言葉に甘えて...」
「あいわかった。シエラ,すぐに終わらせるぞ。貴様のせいでみこは言霊を使い過ぎている,少しは休ませてやらんとな。」
「まちも丸くなったね。」




